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帰り道、晋助さんは道中の花売りから、薔薇の蕾を買った。店主が言うには、運が良ければ明日咲くらしい。
蕾の色からして、白い薔薇が咲くことが分かる。
果たして彼がその意味を知っていて選んだのかは不明だ。
家に帰れば、玄関でまたちゃんが出迎えてくれる。
晋助さんから薔薇を受け取った彼女は、一番陽の当たるところに置いてくれるらしい。
浴衣を脱ぎ、貯められているぬるま湯を身体にかけてから私は湯に浸かった。一息吐いて、身体を落ち着かせていく。
あまり長風呂をしても心臓が弱まるだけであり、数分程度で上がる。風呂場の外に置いてある扇風機に顔を近づけて声を出せば、変な声が響いていった。
『何してるんスか?』
私の様子を見に来たらしいまたちゃんは、ドライヤーを渡して乾かすように言う。それを受け取り、髪の水気を飛ばしながら、扇風機で遊んでいたことを教える。
『あの薔薇、いつ咲くっスかね』
『ううん……明日、咲くかも』
またちゃんが言うには、私の部屋の窓から見下ろせるところに置いてくれたようだ。
朝起きて一番に咲いたかどうか分かるため、とても有り難い。
そうして疲れ果てた私は、敷かれていた布団に倒れこむようにして、夢も見ないほど深い眠りに落ちていった。
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月城碧 - ハルさんすごいです!私も高杉が大好きなのですがもうキュンキュンしまくりです!最初は愛なんてなかった…ていう所からの展開が凄すぎる!もう一気に高杉をもっと好きになるとともにハルさんのファンになりました! (2018年12月4日 17時) (レス) id: de7306413f (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - 銀皐月さん» さっつんの言った通り早いですね! 本当に! 高杉への愛を詰めるだけ詰め込んでいる作品なので、終わりが早いと呆気なく思ってしまいます( ; ; ) 続編も頑張ります! 応援ありがとう! これからもよろしくね!( ´ ∀`) (2017年8月11日 9時) (レス) id: 3c0de761a5 (このIDを非表示/違反報告)
ハル(プロフ) - エラさん» おはようございます! それはそれは、どうもありがとうございます!! 両方好きだなんてとっても嬉しいです( ´ ∀`) 続篇、本日出しますのでどうかお楽しみに!! 閲覧とコメントをありがとうございました! (2017年8月11日 9時) (レス) id: 3c0de761a5 (このIDを非表示/違反報告)
銀皐月(プロフ) - ハルー、恋は白い薔薇のようで完結おめでとう!
早いね、もう3弾いっちゃうよ。高杉好きだからこそ、泣くよね。愛がない結婚からの愛。泣くね。号泣だ。
黄色い薔薇も頑張ってね! (2017年8月10日 20時) (携帯から) (レス) id: 5de9376b0f (このIDを非表示/違反報告)
エラ(プロフ) - こんにちは!いつも楽しませてもらってます!サドリーマンも好きですが、薔薇シリーズも大好きです!「別れは、黄色い薔薇のように」も楽しみにしています♪頑張ってください♪ (2017年8月10日 14時) (レス) id: ad6183f351 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハル | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/harumemory
作成日時:2017年7月23日 10時