デジャヴと同情_5 ページ43
さらに15分後。
降 「そろそろ、食堂閉まるぞ…」
もうすぐ20時。
食堂の閉まる時刻が近づくも、Aはまだ起きる気配がない。
萩 「アラーム、かかってない…とか?」
松 「…起こすか」
すっと椅子を立ち上がり、
Aの肩に手を伸ばそうとする松田。
景 「…春宮」
しかしそれより早く、
A側に座っていた景光が、
その肩に手を乗せて静かに揺らした。
『…ん…』
しかし、小さな声を上げるも、Aは起きる気配がない。
松 「おい、春宮。起きろ」
そして、その反対側から松田が少し強く揺さぶった。
『んー
…うる…さ…ぃ…』
松 「は?」
萩 「…ハハッ。嫌われてんのは松田かもな?」
松 「萩原…うるせぇぞ」
景 「…どうしようか」
ギロリと萩原を睨む松田と、
困り顔の景光。
すると、その様子を静かに見ていた降谷がすっと立ち上がり、
Aの方へ向かうと――
「…起きろ…!春宮!」
と、その耳元で叫んだ。
『…!』
その声に、ガバリと反射的に上半身を起こすA。
教官にでも怒られたように。
『…ん…?』
しかし、その目は半分ほどしか開いていない。
そして、ゆっくり周囲を伺うように、左右に顔を向けた。
景 「あ、起きた…」
萩 「さすが、降谷…。容赦ねぇな」
松 「いや…まだ寝てんじゃねぇのか」
『んー…』
Aは、再度下を向き、
再び目を閉じコクコクと首を揺らしたと思うと――
キュッと目に力を入れて、
パチリ、とその大きな目を見開いた。
『……はぁ。お腹いっぱい…』
そして、幸せなため息のように、
息を吐き出しながら呟いた。
無意識に、教官ではないことを感じ取っているのか、
無意識に、ここが食堂であることを理解しているのか、
ただ、寝ぼけているだけか。
559人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
white12(プロフ) - 命亜さん» コメントを頂きありがとうございます。アニメ作品でしょうか。タイトルしか存じ上げないのですが,もしかすると本作に類似シーンやセリフがありましたでしょうか。もしそうでしたら,意図的ではないにせよご不快な思いをさせてしまい申し訳ありませんでした。 (2022年5月14日 10時) (レス) id: 35753a7d46 (このIDを非表示/違反報告)
命亜 - …もしかしてイナズマイレブン知ってますか? (2022年5月13日 19時) (レス) id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - れーか、さん» れーか様: コメントありがとうございます!励みになります。ムラがあると思いますが、更新頑張りますね! (2019年8月24日 9時) (レス) id: 1425135a30 (このIDを非表示/違反報告)
れーか、(プロフ) - 更新頑張ってください!面白いですね! (2019年8月24日 0時) (レス) id: d62f4a4e4f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:white12 | 作成日時:2019年8月24日 0時