シュークリーム_4 ページ28
『…じゃあ、萩原、で。』
萩 「ん。で、コイツは――」
松 「春宮。俺も、呼び捨てでいい。
あと、クリーム、またついてんぞ」
『…』
萩原や降谷がいる方向とは反対側の口元に、
新たにクリームがついていることを指摘する松田が、
人差し指を立てた、右腕を伸ばす。
松田は、
クリームがついている場所を指摘しようとしただけだったのだが、
近づいてきた指をとっさに避けるように、
Aは慌てて体勢を横に傾けた。
そして、隣にいた萩原に体がぶつかり――
ポトリ
『…あ』
萩 「あ」
松 「…あ」
Aの手からシュークリームが離れ、
自身の膝の上へとダイブした。
萩 「…」
松 「…」
降 「…」
『…』
降 「…ほら」
降谷が、紳士的にポケットからティッシュを差し出すも、
Aは小さく口を開いたまま、
少し悲しそうな表情で固まっていた。
松 「…俺が悪ぃのか…?」
降 「だろうな」
萩 「まぁ、とりあえず、謝っとけよ…」
松 「えーっと…悪ぃ」
Aは黙ったまま、
カバンから、シュークリームが入っていたと思われるコンビニの袋を取りだし、
膝の上の無残な姿のシュークリームを処理する。
そして、降谷からティッシュを受け取ることなく、
カバンから取り出した自分のティッシュで汚れた制服を軽く拭き取ると、
そのまま、ベンチを去っていった。
口元に、わずかにクリームをつけたままで。
萩 「あーあ。怒ったんじゃねぇ?」
松 「…シュークリームくらいでかよ」
萩 「好きだって言ってただろ。嬉しそうに食べてたし。
制服も汚れちゃったしな...」
松 「めんどくせぇな…」
困った顔をしながらも、
どことなく楽しそうな表情の2人。
萩 「でもやっぱ、面白いな。春宮」
松 「自由なだけだろ」
降 「確かに…自由な女だな」
松田に同意するように苦笑する降谷だが、
2人と同じく、どこか楽しそうにため息を吐いたのだった。
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white12(プロフ) - 命亜さん» コメントを頂きありがとうございます。アニメ作品でしょうか。タイトルしか存じ上げないのですが,もしかすると本作に類似シーンやセリフがありましたでしょうか。もしそうでしたら,意図的ではないにせよご不快な思いをさせてしまい申し訳ありませんでした。 (2022年5月14日 10時) (レス) id: 35753a7d46 (このIDを非表示/違反報告)
命亜 - …もしかしてイナズマイレブン知ってますか? (2022年5月13日 19時) (レス) id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - れーか、さん» れーか様: コメントありがとうございます!励みになります。ムラがあると思いますが、更新頑張りますね! (2019年8月24日 9時) (レス) id: 1425135a30 (このIDを非表示/違反報告)
れーか、(プロフ) - 更新頑張ってください!面白いですね! (2019年8月24日 0時) (レス) id: d62f4a4e4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:white12 | 作成日時:2019年8月24日 0時