検索窓
今日:36 hit、昨日:28 hit、合計:104,132 hit

失礼なセリフ_4 ページ49

『…で?』



続いて訪れた場所で、
詰問するように、1文字を投げかけるA。

当然、返事が返ってこない相手に。


『貴方、何か言ったの?彼に』


問いかける相手は、
やはり墓に眠る、萩原だ。


『…何だか、似てる気がする…のよね。
“安室さん”と、…貴方』


何の潜入捜査か知らないが、別人として米花町の喫茶店で働いている彼。

その人物の設定を、人格を作るのに、
萩原が何か関わっていたのではないかと、勝手に問い詰めているわけだ。


『…まぁ、あぁいう性格の方が、やりやすいのかもしれないけど』


軽い調子で、
しかし、本人同士にとっては決して軽くはないだろう過去の話を聞いてきた安室。

当然、
何らかの情報を引き出すために潜入捜査をしているのだろうことから、
あぁした人懐っこい性格の方が動きやすいことは想像できた。


しかし、安室との会話を思い出し、
やりにくさや、苛立ち、切なさなどが混じり合った複雑な感情を思い出したAは、
大きなため息をついた。


『貴方と安室さんが一緒にいたら…、ものすごく面倒くさそうね』


そして、やたらと失礼なセリフを、
目の前の墓に、柔らかい表情で投げかけるA。


『警視庁への帰り道に寄っただけなの。
…タバコ、持ってきてなくて悪いけど。…それじゃ。』


松田にかけた言葉と同じセリフを告げると、
やはり左足を少し引きずりながら、Aは墓地を去っていった。


文句を言いにきただけのようなAだが、
彼女にとっては、松田や伊達の墓を訪れれば、ここに来るのは当然のような行動で。



そして、安室が彼に似ていると感じたことで、
やはりここに来たくなったのも事実だった。



彼らに言いたいことを言って満足した様子で、
近くに停めた車に乗んだAは、


RRRRRRR


直後鳴り響いた着信音に、スマホを耳に当てた。


『はい、春宮。……警察病院、ですか?
え……?』


そして、大きく目を見開くと、通話を切り、
焦ったような様子で車を発進させたのだった。

移行のお知らせ→←失礼なセリフ_3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (68 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
86人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 警察学校組   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

white12(プロフ) - 開設しましたらお知らせしますね!ぜひ、高さんが描いて下さった夢主ちゃんを見てみたいです! (2020年2月16日 12時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - 高さん» コメントありがとうございます。な...なんと、そんな嬉しいことがあって良いのでしょうか...。本作を読んで頂けているだけでも嬉しいのに、イラストを描いて下さったなんて本当に嬉しいです!実はtwitterはやっていないのですが、この機に...とも考えておりまして。 (2020年2月16日 12時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 夢主さんのイラスト勝手に書かせていただきました笑作者様見ていただきたいんですけどツイッターはやってないですか? (2020年2月16日 12時) (レス) id: 9e0ac4ae00 (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - fujizakuraさん» 本作をお読みいただきありがとうございます。公開が遅くなり申し訳ありません。(8)は既に公開済みですので、引き続きお楽しみ頂けますと幸いです。 (2020年1月31日 14時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
fujizakura(プロフ) - 【8】がパスワードがかかっていて見れません (2020年1月30日 17時) (レス) id: 21ccb35895 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:white12 | 作成日時:2020年1月20日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。