SNOW DROP II (7)【名探偵コナン/警察学校組】

悪趣味だと思うわよ_2 ページ30

その中身は、
東堂および五十嵐、そして彼らの秘書のメインPCの全てのデータ。
3年前から、昨日まで、定期的に保存されたファイルが収められていた。

そこには、彼らのネットバンク、そして、そのやりとりから主要な取引相手、
それはRヒ、つまり輪廻のヒカリを含む情報も全て収められていたのだ。


“メインPC全てのデータ…。
定期的に消去されているデータがあるようだな…”

“…この、奥層のディレクトリ…。全てパスが解除されている…。”

“悔しいことに、こちらで手間取っていたディレクトリだ”

“こっちの口座情報は、既に掴んでいるものだが…、
防犯カメラの映像…か…”

“これだけの情報、一体誰が…”


それらの情報は、公安で既に掴んでいる情報が大部分であったとはいえ、
メインPCのデータを押さえることなど、まだ出来ていなかった公安部で、
刑事たちの戸惑いと驚きの声が上がったのは、つい昨晩のことだ。

データの信憑性は、
これから調べる必要があるものの、
中身を見れば一目瞭然といったところだった。


既に、定期的に消されているデータがあると分かった以上、
家宅捜索前にそれらの情報が手に入ったことは、
公安にとって、マイナスになるはずもなかった。


そして――。


(…あの自動ドアのセキュリティLOCK、
かなり複雑だと、手を焼いていた…
それに…)


“あんなに複雑にLOCKをかける必要など、無かっただろうと言ってるんだ…!”


Aの病室のドアの前。
事情を聞きに来た風見が、耳にした降谷の声。


議員会館のセキュリティシステムに侵入し、
公安の人間が手間取るようなやり方でLOCKをかけたのは、
Aだということだ。

処分を受けるとか何とかそういった会話も聞こえたことを思い出す風見。
何より二課には捜査権はないはずだ。
現場にいただけならまだしも、手を出したとなれば――。
…つまり、Aの勝手な行動だったのだということは、容易に想像できた。



(…2人は、知り合い、…なのか…)


それ以上に、
口論をしていたようなAと降谷。

倒れた彼が目覚めるのを待っているA。
そして何より、

“零”、と、呼んでいた。
叫ぶようにして。


どう見ても、先ほど顔を合わせただけの関係ではない。

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