それでも公安か_3 ページ18
『5日前。輪廻のヒカリに所属する男に刺された、被害者よ。』
「…」
『…こっちは、狙われた心当たりがあるの。十分すぎるほどね。
犯人個人だけじゃなく、…おそらくあの団体自体が関わってるのは、間違いない。』
「…たとえ貴方が5日前の事件の被害者でも、
こちらの情報を渡すことは出来ません。」
その言葉に、Aは捲っていたシャツを下ろし風見から視線を外した。
そして、
『部外者だなんて、貴方、あの団体のこと、…事件のこと。
知らなすぎるんじゃない？』
と、視線を外したまま少し挑発的に口にした。
「…公安がその団体と関わっていると言った覚えはありません。
これ以上おかしなことを言うようなら――」
『それでも公安か』
「…！」
もう一度視線を合わせ、そう口にしたAに、
平然を装っていた風見が、驚いたように小さく眉を寄せた。
一ノ瀬は口を挟むことなく、焦った様子でその会話を聞いている。
『…って、言われない？』
「…」
『貴方は確かに肯定はしなかった。…否定も。』
「…」
『でも気づいてた？
”五十嵐とあの団体が、金銭的に繋がってるんじゃないか”って聞いた時。
わずかに表情が変わったこと。
貴方はポーカーフェイスでいたつもりかもしれないけど』
「…」
『でも、
"それとも五十嵐の方に他に繋がってる危ない組織があるのか”と聞いても、
貴方の表情は変わらなかった。
…もちろん、こちらで調べるつもりだけど、
五十嵐と、輪廻のヒカリ。
あの団体が繋がってるって、彼らを公安が追ってるって…認めたようなものじゃない？』
「…」
『…公安部に急に不躾に現れた得体の知れない女ってだけでも困った状況なのに、
隠さなければいけないことを急に次々に問われると、
つい動揺が表情に出てしまう人っているみたいなのよね。
それが図星だった場合、余計にね。』
「…」
『言い忘れてたわ。”捜査二課の春宮”です。
…お邪魔したわね。』
そう言い残すと、Aは公安部を出て行った。
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white12(プロフ) - いずみんさん» 嬉しいコメントありがとうございます！更新頻度はややマチマチですが、ご容赦ください。今後もお楽しみ頂けたら幸いです。 (2020年1月15日 19時) (
レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
いずみん(プロフ) - 続きが気になります！更新頑張ってください (2020年1月14日 21時) (レス) id: 37077eec40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：white12
| 作成日時：2020年1月12日 18時
