一段落_2 ページ21
(…慰謝料でも払って貰いたいものだわ)
強気なセリフを心に浮かべるも、
あの夜の恐怖が消えた訳ではない。
夜、ベッドで1人目を閉じると、恐怖でなかなか眠れないのだ。
あの男は、やはり、3件の連続不審物事件の犯人だったそうだ。
本人が自供したらしい。
Aは、救急車で運ばれ米花中央病院で手当てを受けた後、
遅い時間にも関わらず、病院でそのまま事情聴取を受けた。
といっても、襲われたこと以外は、
あの男が付近のマンションに何か置いているところを見ただけだ。
そして、Aの話を元に警察が付近を調べたところ、
やはり、不審物が見つかったそうだ。
Aが目にした、箱のようなものが。
そして、それは――
本物だったと、報じられていた。
時限式だったそうだが、
起爆スイッチはONにされてはおらず、
無事に回収されたらしい。
爆弾を作ってみたかった、
人を殺してみたかった、
などと、やや支離滅裂なこととともに、
身勝手極まりない供述をしていることを、
今朝の朝刊で目にしたA。
慰謝料をぶんどってやりたいと思うのも当然で。
しかし、未だふとした瞬間に襲ってくるあの夜の光景に、
そんな考えが自身の強がりであることも、分かっていた。
58人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:white12 | 作成日時:2019年12月5日 19時