好奇心_3 ページ11
『…だから、何で付いてくるのよって言ってるんだけど』
「自分の家に帰ってるだけだろ。」
『Barに入ろうとしてたんじゃないの?』
「まぁ、今日は良いかなって。…そういえば、君と帰り道が同じ方向だったな」
『…別に、隣にいる必要ないでしょ』
「…別に、歩くスピードが一緒なだけだろ」
やはり、付いてくるようにして隣を歩いてくる萩原に、
Aは再びジロリと視線を向けた。
あー言えばこういう男だ。
それはまるで2ヶ月前の夜のデジャヴのような光景で。
何なのだ。
好奇心が何だとかナンパのような言葉を吐いたと思ったら、
急に真剣な顔をしたり。
『もしかして、貴方。…警察の人?』
「ん?」
『前に一緒にいた男の人、
…確か刑事さんだったと思うから。』
前に、先ほどまでいた店、
Bar Curiousで萩原と話していた男だ。
確か、”松田”と呼ばれていた気がする。
不審物が置かれていた3ヶ月前の事件で、
彼の姿を見かけていたA。
ぶっきらぼうに、状況を説明してくれた刑事だと覚えていたのだ。
「…もしかして、好奇心?」
『…もう良いわ。気にしないで』
ふと気になって口を開いたのが間違いだった。
やはり軽そうな萩原の言葉に、Aは眉をひそめて口を閉ざした。
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作者名:white12 | 作成日時:2019年12月5日 19時