Liar 【名探偵コナン】 (ページ42)

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内緒話_3 ページ42

「すみません、お客様。
コーヒー冷めてしまっていたらお取り替えしますので…」

『…いえ。大丈夫です。ありがとうございます』

そして、
困ったように笑みを浮かべて話しかけてきた菜々に、
Aはニコリと笑った。

「…Mistさん、なんですか？」

『え…』

そして、コーヒーカップに口をつけると、
再び同じことを問いかけられ、
またも困ったように眉をよせた。

「…あ、すみません。
あの店員さん、由紀さん…って言うんですけど、彼女に少し話を聞いていて。
うちのコーヒーやスコーンの写真をUPして、
お褒めの言葉を書き込んでいただいていたみたいで…、
ありがとうございます。」

『…あ…えっと…』

「でも、間違ってたらごめんなさい。
由紀さんがあんまり嬉しそうに話してくれたので、私も気になってしまって。
あんまり話しかけると冷めちゃいますよね。
ごゆっくりどうぞ」

口ごもるAに、
そう言ってふわりと微笑むと、菜々はカウンターへと戻って行った。

そうして、
コーヒーと2つのスコーンを堪能するAだったが、
その口元は緩みっぱなしだった。

(…あのページ、菜月以外に褒められたの初めてかもしれないな…)

それもそのはず。
作り始めた当初、ほんの少しだけ、
大学の友人である菜月に話した程度なのだから。

(…あんなに楽しそうに褒められると、
なんだか泣きそうになるんだけど…)

歳のせいかしら。
などと考えるAは、
昼食代わりのスコーンを頬張り終えると、
チラリと腕時計に視線を落とし、焦ったように席を立ち上がったのだった。