Liar 【名探偵コナン】

息抜き ページ36

数日後の日曜日。
今日は休日だ。


とはいえ、お昼過ぎまで自宅で仕事関係のメールやプレゼンの準備など、
様々な作業をこなしていたAは、
遅めの昼食をとった後、自宅に引きこもるかのように、PCのディスプレイを眺めていた。


(…今更だけど、冬らしいデザイン、更新しておきたいなぁ…)


眺めているのは、自身が作ったWebページ。
デザインはもちろん、A自身が全て行ったものだ。
Corsoに入社する前から様々に勉強していたスキルを使って作り上げたもの。

入社後も色々と手を加え、
季節ごとにデザインを一新したりと、度々更新していたそのページは、
Webクリエイターとしての勉強のようなもので、
Aにとっては、初心を思い出せるような、大事なものだった。


営業となってからは、ブログを時折更新する程度。
あるSNSのサイトとリンクさせているのだが、
特にコメントを受け付けるような機能は備えておらず、
備忘録のような、自己満足のような、
A自身の勉強の場のような、そんなページだ。

最後に載せたのは、先日訪れたCafé Rainで注文した、
コーヒーとスコーンの写真。
とても良い雰囲気のお店だったことと、
注文した品は全て絶品だったことを記したシンプルなブログ。



カタカタとキーボードを叩き、
新しいデザインを構築していくAはずいぶんと楽しそうだ。
そして時折ふと、思いついたように手帳に何かを記し始めるのは、
取引先の案件の何かだろうか。



北川の件で、部長に責められるように注意されてから、
良い方向にも悪い方向にも、
社内で特に何かが変わった訳でもなく、
いつもどおりの日々が流れていた。
大事な依頼の案件が白紙になった、と言われていたものの、
それ以降その件で責められるようなこともなかった。
A社との打ち合わせは来週に予定されているが、
特に北川からの連絡もない。


(…まぁ…、もし何か言われたら、その時考えれば良いかな。
わざわざこちらから聞くのも…ね。)


変わらない部長の対応に辟易していたのも事実だが、
何か吹っ切れたようなAがカタカタと作り上げているのは、
冬らしい、粉雪と夜空を基調としたふわりと柔らかいデザインだ。

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