じゃじゃ馬 ページ21
「あれ、月島さん」
『…北川さん。お疲れ様です』
目の前の男に、
さらりと笑みを浮かべ挨拶をするA。
( …はぁ、会っちゃうとはね…)
「もしかして、そこのBARから出てきた?
やっぱりけっこう来るの?ここ――」
『…いえ。その、ちょっと人と会っていただけです。』
「へぇ。もしかして、この間の男?
何度かメールしてたんだけど、最近忙しいみたいだね。大丈夫?」
『お返事出来なくてすみません。
例の案件は、北川さんのお時間を頂くのは申し訳ないので――っ…』
典型的な断りの文句とともに頭を下げ、
その場を去ろうとしたAは、
片目を不機嫌そうに細め、固まった。
正面から肩に手を置かれ、
距離を近づけてきた北川には見られないように、こっそりと。
「ねぇ、せっかくだしちょっと話そうよ。仕事以外のことでも良いし。
相当忙しそうだからストレスも溜まってるでしょ?」
『いえ…、そんなことない――』
今度は腰に手を当ててきた北川。
その手をやんわりと外し、両手で距離を置くように抵抗するA。
本当は蹴っ飛ばしてやりたいのだが。
北川と会うかもしれない、と、
この店に、この辺りに来るのを避けていたが、
そんな状況に悔しさを覚え、吹っ切れたように足を運んだ途端に、この状況だ。
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作者名:white12 | 作成日時:2019年11月29日 22時