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伊達刑事 ページ42

それから2週間が経った。


立てこもり犯は、
一課の厳しい取り調べの末、既に逮捕起訴が決定している。


犯人たちは、Aの推察通り、
やはり、東都銀行の取引先”だった”企業の関係者。
リーダーの男は、
不条理に融資を打ち切られ、倒産となった企業の社長の息子だったようだ。

そして、その他2人は、東都銀行米花支店および本店の社員”だった”人物。
不条理に融資が打ち切られた原因とも言える、不正な金の流れに気づき、
上司に相談したものの、事実上の解雇とも言える理不尽な出向を命じられ、
銀行を退社。その後、内部告発をした人物だった。




そしてなぜ、あの場所に降谷がいたのか。
その理由は、2ヶ月後に明らかになる。

米花支店の支店長である市川は、
過激派組織のメンバーの一員と考えられており、公安の監視対象だった。

その矢先、
市川の勤務先である東都銀行米花支店で立てこもり事件が発生したことを知った降谷は、
現場に現れたというわけだ。
市川本人、あるいは、過激派組織の仕業の可能性を睨んで。






しかしそんな公安の事情など知らないAは、
捜査二課の刑事として、険しい表情で米花町のとある一軒家に入るところだった。


『…お疲れ様です。捜査二課の春宮です。
…って、伊達?』

「お、春宮か。お疲れ」


そこにいたのは、
金品を盗まれたと通報を受け、現場に駆けつけた”捜査三課”の伊達だった。
そしてAは、伊達とは別の三課の刑事から連絡を受け、現場に駆けつけたのだった。


『――それで、電話が掛かってきたんですね?
息子さんを名乗る人物から』

「…は、はい。昨日…。
普段はあまりそういうこと話さないんですが、お金のことを聞かれて…」

買い物を終え帰宅すると、部屋が荒らされ、通帳や現金が盗まれていたと話すのは、
この家の住人。被害者の50代の女性だ。

『ただの空き巣じゃないわね。手口から…アポ電詐欺かもしれない。
未遂ではあったけど、先週も似たような犯行があったし――』

人的被害が無かったことが幸いとはいえ、
鑑識がうろついている現場の状況を確認しつつ、険しい表情を浮かべるA。


「やっぱりな。
詐欺グループってのは、逮捕しても逮捕しても湧いて出てくるもんだな。

…どうしたんだ?その手首…」


ふと伊達が視線を向けたのは、
ちらりと見えるAの右手首の包帯だ。

伊達刑事_2→←緊迫の3分_9



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設定タグ:名探偵コナン , 警察学校組   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:white12 | 作成日時:2019年11月17日 12時

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