緊迫の3分 ページ33
「…止めた方がいいと思うぜ?」
『…は?』
そして、リーダーの男は静かにリモコンのスイッチを押した。
『…!』
Aが覚悟するも、爆発音が聞こえることはない。
「まぁ、人質も出て行ったみてぇだしな。
このまま吹っ飛ばすのも面白くねぇ。
…選ばせてやるよ」
『…何言ってるの』
「…俺たちと一緒に吹っ飛ぶか、
逃げて、自分だけ助かるか」
『…どういうことよ』
意図の掴めない男のセリフに、
苛立ちを隠せないA。
「選ばせてやるって言っただろ。
ここで一緒に吹っ飛ぶか、逃げて、自分だけ助かるか」
『…だから!どういうことかって聞いてるのよ!』
「3分だ。
これは、タイマーを起動するスイッチ。
仕掛けた爆弾全てのな。
あと3分でここは吹き飛ぶ。
それと、入口近くの爆弾はセンサーが付いててな。
迂闊に近づいたら、ドカーン…!ってな。
…だから、アイツら、店に入ってこない方が良いと思うぜ?
アンタも逃げるならとっとと裏口から逃げるんだな」
『…!』
男がちらりと視線を向けるのは、
店に入って来ようとしている機動隊の隊員達だ。
(…あ…)
自信はない。
しかし、一瞬Aの目に入った隊員。
松田のように見えた。
爆発物処理班なのだ。
爆弾が仕掛けられている立てこもり現場に現れるのは、
当然のことだろう。
『…ふざけんじゃないわよ。』
男の言葉の真偽は分からない。
ちらりと銀行のデジタル時計に目を向けると、18:13と表示されていた。
そして、Aはとっさに、入口の方へ向かった。
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作者名:white12 | 作成日時:2019年11月17日 12時