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どういう関係_3 ページ19

『あ、あの――』

「何で正直に言わなかった」

『え…』

「何でもねぇ訳ねぇだろうが。
大丈夫って、何がだよ。震えるほど怖かったんだろうが。
アンタなぁ――」

『え…っと…』


松田に責められるように詰め寄られ、
視線を彷徨わせるAだったが、
急に安堵したのか、一気に体の力が抜けたように、
震えていた肩はガクリと脱力し、そのままフラリと体が揺らいだ。


「…お、おい」


ペタリと地面に座り込みそうになるA。
松田はその腕を今度はそっと掴むと、
ゆっくりと立ち上がらせた。
その身体はまだ小刻みに震えている。

『す、すみません。何だか力が抜けてしまって…』

「大丈夫か…?」

『は、はい…』

「…何で言わねぇんだよ。…隠れてたんだろ。」


乱れた呼吸を繰り返すAに、
松田は心配そうに、仕方ねぇなというような顔を向けている。


『…しばらくあの場所にいたので…。…もう大丈夫だと、思ったので。』

「…ハァ…アンタなぁ」

よくわからない、根拠のないAの言葉に、
松田は盛大にため息をついた。

そして、”送っていく”と言って、
掴んでいたAの腕を引っ張るようにして、
“大丈夫”を繰り返すAを、半ば強引にアパートの駐車場へと連れていった。

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作者名:white12 | 作成日時:2019年11月14日 21時

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