検索窓
今日:53 hit、昨日:102 hit、合計:445,592 hit

事情聴取_4 ページ9

『奥さんと…、子供もいるなんて。…知らなかったんです。』

「へぇ…?」

『先週の日曜日に大学時代の同窓会があって…、そこで、偶然彼と同じ会社に勤めている子がいて、
彼が結婚していることを聞きました…。
奥さんや子どもと一緒に写った写真もあって…』

「…なるほどな。騙されてたってわけか。で、カッとなって――」

『ち、違います…!刺したりなんか、してません。
確かに、腹が立ちましたし悔しい気持ちも…。
でも、彼の頬を引っ叩いてすっきりしたというか…、正直もう関わり合いたくないんです。』

「その割には、刺されたって聞いて心底心配していたみてぇだけどな」

『…それは、仮にも付き合ってたんです。当然です…。
結果的に騙されてたとはいえ…』

話をして悔しくなってきたのか、Aの声はわずかに震え始めた。
そして、もう夜も遅いこともあり、また話を聞きに来ると言って松田はAの部屋を出て行った。
Aの話の裏取りもあるのだろう。


(…知らずに不倫してたってことかよ。それを知ったのが先週の日曜日ってことは、
…俺とぶつかった夜か?
ま、本当かどうかはまだ分からねぇけどな。)

松田は米花町でAとぶつかった際、彼女が涙ぐんでいたことを思い出した。
Aの言っていた話が本当だとすれば、それだけ悔しい気持ちがあったはずだと、
容疑者としての疑惑はいっそう濃いものになっていた。

そして、Aが杯戸町の喫茶店の店員、おそらく店主だという情報をくれた萩原に、
とりあえず礼をいっておくか、と、携帯を取り出した。

あの夜、Aたちの口論を見てしまった際、ずいぶんと酔っていたようだが、やはり警察官ということか。萩原はAの顔を覚えていたのである。
そして偶然にも、先日、Cafe Rainに足を運んだ萩原。
一課の捜査状況など知るすべなどない彼だが、雑談交じりに松田はその情報を得ていたのだった。

疑い→←事情聴取_3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (179 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
353人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 松田陣平 , 警察学校組   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:white12 | 作成日時:2019年11月12日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。