Rain【名探偵コナン】 (ページ25)

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嬉しい言葉_2 ページ25

「…は？…あ…いや、でも…」

『…』

「…」

もしここが潰れたら、そうなっても仕方ない状況とはいえ、
Aに責められるように見つめられた松田は、
視線を彷徨わせ、慌てた様子を見せた。

『…フフッ』

「…は？」

そして、今度は吹き出すようにして笑ったAに、
思わずすっとんきょうな声をあげる松田。

『…フフッ。すみません。冗談です。』

「…冗談？」

『ちょっと、言ってみたかっただけです。
本当に、もう良いですから。』

「…」

『…すみません。慌てさせちゃいましたね。
逮捕された訳じゃないですし。
彼と口論していたのは事実で、…疑われるのも当然だったんですし。
お店やってれば、色々あることないこと書かれちゃうのも仕方ないです。』

いたずらっ子のようなセリフを口にすると、
何も気にしていないように、 Aは笑みを浮かべた。

「…そうしろ。」

『え？』

「もし、店が潰れるようなことになったら、訴えれば良い。」

『…不吉なこと言わないでください。言霊、って知ってますか？』

「…いや、アンタが言ったんだろ。」

『もう、本当に良いんです。
むしろ、わざわざ謝罪に来てくれて、本当にありがとうございました。
失礼ですけど、こんなに良心的な刑事さんだとは思いませんでした。』

なかなかに失礼な言葉を松田に投げかけると、今度はAの方がペコリと頭を下げた。
松田の方は一瞬顔を引きつらせるも、
しかし煮え切らない表情で、未だ申し訳なさそうに顔をしかめている。