SNOW DROP (5) 【名探偵コナン/警察学校組】

涙と怒りと ページ7

塔 「…ますます理解出来ないけど。」

『…え？』

塔 「そもそも、Aみたいに真剣な相手に、…まぁ、普段は色々抜けてるけど、
そんな相手に手加減なんてする人には見えないし、
それがAだから手加減したなんて、ますます理解できないんだけどなぁ」

ちょっと一言多い様な塔子のセリフ。
苦笑しながら話す塔子に、
Aは少し困った様な顔を浮かべた。

塔 「とりあえずさ、やっぱりちゃんと話した方が良いと思うけど。
前に喧嘩したって言ってたのは、仲直りしたんでしょ？」

『…え？』

塔 「喧嘩したって言ってたじゃない。降谷くんと。
…なんか、訳分からないことしてきた、とか言って。
でも、昨日食堂でちゃんと降谷くんと喋ってたし。」

『…あ、それは』

塔 「ちゃんと話して仲直りしたんじゃないの？」

『…話したっていうか…』


煮え切らないAの言葉に、
それ以上追及しないものの、
苦笑する様に、そしていたずらっ子のように口角をあげAの顔を覗き込む塔子。


その顔につられるように、
困ったように、Aは小さく口元を緩めた。


塔 「…ちゃんと話した方が良いと思うわよ？
降谷くんに、言いたいことあるならちゃんと言った方が。
降谷くんだって、言いたいことあるんじゃないの？
…明日、卒業よ？」

そして、ニッコリ笑うと、
ひらりと右手を上げて、塔子は部屋を出て行った。



『…』


そしてAは、しばらく困った様に眉をひそめていた。

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