卒業式 ページ14
そして、翌日。
今日はいよいよ警察学校の卒業式だ。
降 「――警察学校での訓練の日々は――
そして、培われた知識や技術だけでなく、警察学校生同士の絆と――
――今後も、
この国を、国民を守るため、国民の期待と信頼に応える強い警察を目指し…」
校歌斉唱と、教官や来賓者たちの挨拶の後、
しっかりした口調で、
真剣な表情で代表挨拶を述べる降谷。
塔 「降谷くん、首席だもんね。さすがね」
『…』
Aと隣り合って座る塔子は、
小声でそっとAに笑いかけた。
そして、
一連のセレモニーが全て終了し、
会場を後にする一同。
松 「はぁ〜。長かったぜ」
伊 「おいおい。松田。感動の卒業式だっただろうが…」
そして、会場を後にする松田たち4人。
代表挨拶の仕事があった降谷は、
他の4人と離れて座っていたため、ここにはいない。
相変わらずめんどくさそうな声で、
小さな欠伸をする松田の横で苦笑する伊達は、少し目が潤んでいる様だ。
警察学校での日々を嫌でも思い出す式典だったのだ。
仲間たちの絆について述べた降谷の代表挨拶にも、
感動し、伊達の涙腺は式典の途中で崩壊していた。
萩 「…伊達は涙脆いな。
そんなことで警察官が務まるか!って、教官に怒られるんじゃねぇ?」
そういう萩原も、ほんの少し目元が赤い様だ。
そして、欠伸をこぼしていた松田も、同じく、だった。
景 「…ゼロ、やっぱりすごかったな。」
ポツリ、とこぼした景光は、
やっぱり敵わないな、というように、
以前から抱いている降谷への尊敬の念を全面に出す様に、
どこかスッキリとした、どこか誇らしげな表情をしていた。
昨夜の萩原たちとの会話。
そして、先ほどの卒業式。
そこで耳にした降谷の代表挨拶。
やはり、これまでの学校での日々を、寮での日々を思い出し、
その降谷の実力を、改めて思い出したこともあるのだろう。
しかし、それ以上に、
今朝早く、卒業式の前に降谷と会話交わした会話が大きな理由だ。
会話といっても、
降谷が一方的にポツリ、と零してきただけだ。
“ヒロ…ごめん。
昨日は、悪かった”
と。
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white12(プロフ) - ra -ra さん» コメントありがとうございます。SNOW DROPは,拙いながらも私自身けっこうお気に入りでして,警察学校組好きが溢れた作品でした。お楽しみ頂けていたなら本当に嬉しく思います。 (2021年5月26日 21時) (レス) id: 654daa9564 (このIDを非表示/違反報告)
ra -ra - やばい。何度読んでも面白い! (2021年5月18日 16時) (レス) id: 4001d860f3 (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - 燎彩さん» とても嬉しいコメントありがとうございます!最高と言っていただけて本当に嬉しいです。長くはなりますが、続編 (II)も更新中ですので、もし宜しければお楽しみ頂けますと幸いです。 (2020年1月23日 13時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
燎彩(プロフ) - 完結お疲れ様でした!語彙力皆無なので一言だけ…最高です!! (2020年1月22日 11時) (レス) id: c873624ead (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - さちさん» 本作をお読み頂きありがとうございました。面白かったと感じていただけてとても嬉しいです。もしよければ続編もお楽しみ頂ければ幸いです。 (2019年11月18日 23時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:white12 | 作成日時:2019年9月1日 9時