あの日のベンチ_2 ページ2
その後、教官室で昨夜のことをいくつか質問され、
部屋を出た景光の目の前には、
Aの姿があった。
景 「…え。春宮？」
『…さっき、副教官に呼ばれたから。
諸伏も呼ばれてたのね』
スッと景光の横を通り過ぎると、
Aはそのまま教官室に入っていった。
興味のなさそうなその素振りは、
数ヶ月前、景光が何度も目にしたAと同じだった。
そして、10分後。
教官室を出たAの目に映ったのは、
廊下の壁にもたれかかり、
困った様に笑う景光の姿。
景 「教官の話、終わった？」
『…まだいたの？』
景 「ちょっと、な」
やはり興味なさそうに、
そのまま、その場を去ろうとしたAだったが、
パシリと景光に腕を掴まれ、立ち止まる。
『何か用？』
景 「ちょっと、な」
再び同じセリフを吐く景光に、
手を引かれる様にして、辿り着いたのは中庭のベンチだった。
景光はあの日の事情を知っている訳ではない。
まぁ、ちょうどいい場所だったというだけだ。
Aは、
掴まれた腕を外し、寮に戻ろうとしたのだが、
“明日卒業だし、ちょっと話したいって思ってな”
という、昨夜見たいたずらっ子のような顔を浮かべる景光にほだされるように、
渋々といったように、ついてきたのだ。
道場にいた景光には、
おそらく会話を聞かれていただろう彼には、
多少の気まずさもある訳で。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 215人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
white12(プロフ) - ra -ra さん» コメントありがとうございます。SNOW DROPは，拙いながらも私自身けっこうお気に入りでして，警察学校組好きが溢れた作品でした。お楽しみ頂けていたなら本当に嬉しく思います。 (2021年5月26日 21時) (
レス) id: 654daa9564 (このIDを非表示/違反報告)
ra -ra - やばい。何度読んでも面白い! (2021年5月18日 16時) (レス) id: 4001d860f3 (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - 燎彩さん» とても嬉しいコメントありがとうございます！最高と言っていただけて本当に嬉しいです。長くはなりますが、続編 (II)も更新中ですので、もし宜しければお楽しみ頂けますと幸いです。 (2020年1月23日 13時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
燎彩(プロフ) - 完結お疲れ様でした！語彙力皆無なので一言だけ…最高です！！ (2020年1月22日 11時) (レス) id: c873624ead (このIDを非表示/違反報告)
white12(プロフ) - さちさん» 本作をお読み頂きありがとうございました。面白かったと感じていただけてとても嬉しいです。もしよければ続編もお楽しみ頂ければ幸いです。 (2019年11月18日 23時) (レス) id: b6a71bc5a9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：white12
| 作成日時：2019年9月1日 9時
