第42夜：キミの傍に。 �� ページ3
「隼―――大丈夫？」
透き通るような白い瞳が、アリアの腕に抱かれた隼を心配そうに覗き込む。
「ゼロに、酷い事されたの……？」
「見ての通り―――」
「おい！」
流石に恋人に誤解されるのは困るのか、ゼロは慌てた様子で似合わぬ声を上げる。
(流石の大魔法使いも、エリオスの前では形無しだな)
くすくすと、笑みをこぼす隼。
―――アリアの言うように、悪い奴ではないらしい。
「心配はない。助けてもらった…それだけだよ」
「―――そう…」
差し当たって、先刻の偵察で得られた情報は大きい。
この情報―――使い様によれば意図的に黒塊を呼びだす事も可能だろう。
かと言って、今すぐに出来る事は何もない。何の対策も取らずに奴等を呼びだすのは、愚者の極み。
一旦は里に戻ると、隼はドラゴンの里を後にした。彼を気に掛けたアリアも、隼に付き添うと部屋を出る。
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里への帰り道、アリアは少し頬を膨らませた。
「まさか僕に黙って、危ない事をしようとしていたんじゃないだろうな？」
「―――いや、意図せず“偶然”に遭遇してしまっただけ」
“偶然”を強調して説明する隼。
可能性は示唆していたが、実際に現れたのは、“偶然”との解釈を脳内で整える。
「何と―――？」
「黒塊」
「はぁぁ？！」
アリアの声が、抜ける森に響く。
「あんたはいつも僕を置いて―――ッ ？！」
ムキになるアリアの唇を、キスで塞ぐ隼。
「置いていく気はないし、アリアには隣に居て欲しいと思っている……これから起こす、危険な事にも―――」
まだ、温もりの残る唇をそっと指で押さえると、アリアは当然だと笑った。
「何度も言わせないで―――ずっと前にも言っただろう？」
―――何があっても…隼の隣には 僕がいるから。
赤い瞳に、柔らかい笑みを返す隼は、アリアの手を握る―――。
「アリアに、視て欲しものがあるんだ……」
「僕に、視て欲しいもの？」
「そう――――魂の、色を……」
匙は投げた。
もう引き返せない――――引き返さない。
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kohaku(プロフ) - 美園さん» こちらこそ、リクエスト頂き有り難うございます！この作品の大きなテーマが”暁天（夜明け）”であり、繋がりだと思っています。皆様の素敵なキャラクターと繋がれたおかげで、完結することが出来ました！本当に感謝です！ (2022年1月8日 22時) (
レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - 彩華さん» 有難うございます！作中で成長していく主人公のように、この”暁天の星”自体が、関係を組んでいただいた皆様に見守られ、支えられて紡がれた作品だと感じ、感謝でいっぱいです！そして、イルアにも心温まるメッセージ、有難うございます！ (2022年1月8日 22時) (レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
美園(プロフ) - この話を支えてきたみんなから次の世代へ繋がる…やはり世界は回りますね…長文失礼しました！本当に素敵なお話ありがとうございました！ (2022年1月8日 19時) (レス) id: 16ac793f5a (このIDを非表示/違反報告)
美園(プロフ) - リクエスト叶えてくれてありがとうございます！しかもシノンちゃんの…やばい泣けてきます…そして紙芝居ってあの紙芝居ですかね？もう何回も読み返しても心にグッときて…これからも何回も何回も読み返させていただきます！ほんとうにありがとうございました！ (2022年1月8日 19時) (レス) @page20 id: 16ac793f5a (このIDを非表示/違反報告)
彩華 - 隼さんからだけじゃない、一緒にストーリーを紡いできた皆様からの作品に込められたメッセージが身に沁みます…！そして…大きくなりましたねイルアちゃん…お父様とお母様の愛情をたくさんもらって、伸び伸びと生きていってね…うちの2人も影から見守ってますからね… (2022年1月8日 17時) (レス) @page20 id: 324e983886 (このIDを非表示/違反報告)
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