第24夜： 二重の罠 �� ページ43
夜の更けた魔法使いの里は、昼間とは違う別の表情を見せる。
何を動力にしているのかと目を疑いたくなる“浮かぶ電球”が街を彩り、スピーカーもないのに陽気な音楽が流れる。
ひとたび夜の飲食店に入ると、まるで透明人間でもいるように料理皿が宙に浮いて運ばれていた。
(いつ来ても、興味深いな……この摩訶不思議な世界は)
「いらっしゃいませ―――」
とんがり帽子にフードのついたマントを羽織り、魔女に扮した隼が酒場のドアを開けると、
ドアベルと共にマスターの色気のある声が出迎えた。
酒ですっかり盛り上がっていた男たちの視線が、ひらりと揺れるマントに注がれるのにも目もくれず、真っすぐカウンターに座ると、
「おススメで」と笑顔を向ける。
程なくして、隼の前に置かれたのはフルーツと共に盛り付けられたサンドウィッチ…
「空腹にアルコールは、胃を荒らしますよ」
「あは…有難うございます」
”ミスト”がこの酒屋を使うのは、初めてではなかった。
隼が魔法使いの里での諜報活動を行う時に好んで使っていた為、
マスターと店のスタッフには既に“ミスト”を覚えられていたのだ。
諜報活動は、相手を探る為に相手の懐に入るのかと思われているがそうではない。
有利に物事を進めるためには、
相手よりも周囲の状況を把握しつくした“自らのフィールド”に誘い込むほうが安全である。
サキュバスの里ではリリンの店が……
そして魔法使いの里ではこの酒場が、隼にとっての フィールド だった。
まるでこの酒場が初めてのように“おススメで”とオーダーしたが、
この酒場のメニューはすべて把握している。
何がどのくらいのアルコール濃度なのか、どのメニューが人気で、
どんな客層が訪れるのか……。
隼がフィールドとするこの店は、濃度の高い酒とマスター手製のつまみが人気の、
比較的コアな客が出入りする。
落ち着いた大人の雰囲気を醸し出し、一見すれば
若い女の姿に変装した“ミスト”は場違いだろう。
隼の変装は変幻自在。
おおよそ10歳以上の老若男女ならどんな姿にでも化けてみせる。
場に馴染んでMOBを演じるのなら、この酒場に似合う屈強な戦士か冒険者か、
はたまたその辺にいる魔法使いの“男”に変装したほうが目立たないだろう。
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kohaku(プロフ) - レイレインさん» 有難うございます！師弟の回はもう少し続きます…！ (2021年5月27日 7時) (
レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
レイレイン - この陸翔と隼の関係、好きです！やっぱり結局は師弟なんだな。と温かくなります。 (2021年5月27日 6時) (レス) id: b67eda2bb0 (このIDを非表示/違反報告)
美園(プロフ) - いえいえ、こちらこそ身内みたいで見てて微笑ましいです！これからも身内みたいな幼馴染お願いします笑 (2021年5月26日 18時) (レス) id: 0b7aaa97b0 (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - 美園さん» すみません…CSの関係逸脱してしまっていますかね…（汗）ハノンさんの事は、身内のように心配して、大事にしています！（陸翔達のCSで、ハノンさんとの関係欄のセリフ参照位に…照） (2021年5月26日 18時) (レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
セレーネー(プロフ) - kohakuさん» よし、応援します！頑張れ！隼さん！ (2021年5月26日 18時) (レス) id: f5691cda52 (このIDを非表示/違反報告)
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