第17夜：精霊の加護 �� ページ11
「隼はズルいなぁ…あんたが居たら、僕が隼ファーストになるの分かってて来るんだから」
隼の隣に座り、そっと肩に擦り寄るアリア。
彼女が加護を与えてくれるのか、先程よりもずっとマナの安定が早くなったのがわかる。
「意味わからない。会いに来いと言ったのはアリアだろ。それに俺は、優先しろなんて言ってない」
「ほら！やっぱり僕に会いに来たんじゃん」
言葉の選択を間違えた。と、隼は視線を逸らせた。
「目立ちたくないならさ、僕の部屋に来てよ―――命令！」
「……今は”ミスト(女精霊)”じゃない。例えアリア(副長)の命令だって拒否権があるよ？」
「うっ……じ、じゃぁ――甘い物あるよ！この前サキュバス長のリリン様にもらったの！」
少しばかり困った顔を見せ、必死に”理由”を探すアリア。どうやら握った右腕を、離してくれる気はないようだ。普段は自信たっぷりで、隼の事など掌で転がすように揶揄うくせに。
想定外の反応に、意外に弱かったりする…。
(……否)
精霊の副長として、双子の姉リリアをサポートするアリアは頼もしく、その手腕は精霊の民が認める折り紙付き。だから…
―――違った。俺限定、だっけ……。
隼は、にやけてしまいそうになる口元を、必死で抑えた。
「別にアリア程甘い物、好きじゃない」
「じゃぁ紅茶は？丁度昨日、エルフのハノン様からジャスミンを頂いたの！リラックス効果があるから隼には……」
(ズルいのは、アリアの方だ。こんなの―――可愛いが過ぎるだろ……)
あれこれと”理由付け”の言葉を並べるアリアの唇を、そっとふさぐ。
いつも”人前で目立つことはやめろ”と嗜めるのは隼の方なのに。
またもや重なる“想定外”に、赤色の大きな瞳を見開いて、耳まで真っ赤に染め上げた。
―――ああ、可愛い。そんな顔されたら、意地悪したくなる。
「アリアに会う―――理由はそれだけでいいんじゃなかったっけ？」
「―――ッ。隼のくせに…生意気」
そんな顔して言われても、説得力の欠片もないけど―――
あまり苛めすぎると怒るから、程ほどにしておかないと後が怖い。
「はいはい…生意気言ってすみません」
諦めた隼に、勝ち誇ったかのように自慢気な表情で微笑むアリア。
握ったままの彼の腕を引き上げ立たせると、くるりと白いポンチョを翻した。
「行こう―――隼！！ジャスミンティとカップケーキでティタイムだ！」
「―――……アリアのお心のままに」
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kohaku(プロフ) - レイレインさん» 有難うございます！師弟の回はもう少し続きます…！ (2021年5月27日 7時) (
レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
レイレイン - この陸翔と隼の関係、好きです！やっぱり結局は師弟なんだな。と温かくなります。 (2021年5月27日 6時) (レス) id: b67eda2bb0 (このIDを非表示/違反報告)
美園(プロフ) - いえいえ、こちらこそ身内みたいで見てて微笑ましいです！これからも身内みたいな幼馴染お願いします笑 (2021年5月26日 18時) (レス) id: 0b7aaa97b0 (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - 美園さん» すみません…CSの関係逸脱してしまっていますかね…（汗）ハノンさんの事は、身内のように心配して、大事にしています！（陸翔達のCSで、ハノンさんとの関係欄のセリフ参照位に…照） (2021年5月26日 18時) (レス) id: cbd072c832 (このIDを非表示/違反報告)
セレーネー(プロフ) - kohakuさん» よし、応援します！頑張れ！隼さん！ (2021年5月26日 18時) (レス) id: f5691cda52 (このIDを非表示/違反報告)
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