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「ではでは
櫻井くんの入社を歓迎して
乾杯！」
「かんぱーい」
「入社って...」
「櫻井くんは
酒は飲めるのか？」
「あれ？
早生まれでしょ？」
「早生まれですけど
ハタチですー」
「きゃー
ぴちぴちー」
「そうなんですよ」
むっ
どうせ
来年アラフォーですよ
.
なんだかんだで
今日は櫻井くんの歓迎会
部長の
乾杯の音頭でスタートした。
「櫻井くーん」
「翔くーん」
主役の櫻井くんは
あっと言う間に
女子に囲まれる
いつの間にか
名前で呼ばれているし
「大人気だね」
ふと
智さんが私の横に来て
櫻井くんを見ながら呟く
「そうですね
もう我が社の
アイドルですよ」
「んふふ
だね
そのアイドルに懐かれて
Aも大変だね」
「いえ
懐かれてると言うよりは...」
「ん？」
「私を盾にしてるだけですよ
あの子
爽やか好青年に見えて
実はあざといんです」
「そう？
全然見えないけどな」
「そうなんですよ」
「...
そっか...」
何か言いたげだけど
そのまま何も言わず
智さんはビールを飲んでいる
こうやって
ゆっくり話すの
久しぶりかも
グレーのスーツに
薄い水色のシャツ
黄色のストライプのネクタイ
童顔だけど
ちょっとした仕草や
話し方が
やはり
大人だなと思う
最近
若者の櫻井くんと
いることが多いせいか
とても
落ち着く
つい
頬が緩むのを隠すように
頬杖をついた
「大野主任
時間大丈夫ですか？」
さっきまで
翔くーんと
甘い声を出していた女子が
智さんの横に来た
「うん
大丈夫だよ」
智さんの
ちょっと嫌そうな顔を見て
思わず吹き出しそうになる
櫻井くんと違って正直
「大野主任のところは
結婚何年目ですか？」
どきっ
「あー
うーんと...
7年目だけど」
ズキン
チラリと私の方を見るが
私は智さんを見ないで
お酒を飲むフリをする
「じゃあ
お子さんいくつですか？
何人いるんですか？」
知らない
聞きたくない
「いないよ」
どくん
そうなんだ...
「えーっ！？
なんでですかっ！？」
「いや...
これ以上は俺たち夫婦の問題だから」
俺たち...
夫婦...
子供いないなら
チャンスあるかもー
なんて
酔ったフリして
きゃーきゃー言ってる女子の声は
遠くなった
私も酔ってるのかな...
「A先輩」
すべての音が
聞こえなくなりそうになった時
私を呼ぶ
櫻井くんの声がした
.
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ことら(プロフ) - コメントありがとうございますm(__)mとても励みになりました！頑張ります。 (2020年1月26日 20時) (
レス) id: 3fdd75fac9 (このIDを非表示/違反報告)
umi(プロフ) - 色々と複雑な気持ちの中で書き続けてくれてありがとう。私は潤担なので比べ物にならないけど心中お察し致します。辛い時は休んでいいです。ゆっくりでも最後まで更新して頂けると嬉しいです。 (2020年1月26日 11時) (レス) id: 70b1e6f34a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ことら | 作成日時：2019年12月5日 7時
