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「ちっ違うのっ
私がただ単に
要領が悪いのがいけないだけでっ

櫻井くんは全然悪くないよっ

本当にっ」


自分が思っていたことと
まるで違う答えが返って来て


ほっと
安心したのと


やましい気持ちを
悟られないように
焦って謝る




「ふはっ

優しいですね
A先輩は

ありがとうございます」


ふと
綺麗に笑う




あなた
だいぶ人たらしよ




さぞかし
おモテになるでしょうに



なんて
本人に聞いたら


今のご時世セクハラ






まぁ




聞かなくても


もう
十分過ぎるほど理解出来たわ



.



隣でご機嫌な櫻井くんを
横目で見て




「さて
頑張りますか」



私も笑顔になる




.




.






「お疲れ様です
ありがとうございました
また明日もよろしくお願いします」



「お疲れ様でした
また明日」




17:00


櫻井くんは
元気よく挨拶をして
帰宅して行った




その姿を見送って



「はぁ〜

疲れたぁ...」



イスにもたれて
脱力する



若いなぁ...





いや

私が勝手に振り回されてただけか





「お疲れ様」


今日の反省をしていると


「お
大野主任...」


空かさず
智さんが声をかけてくれた



「だいぶ
お疲れのようだけど?

大丈夫?」



「...なんとか...

いやー
若いですね
やっぱり」



「んふふ
俺からしたら
たいして変わんないよ」


「全然違いますよっ
歳取ったなぁって
実感しました」



「そんなこと言ったら
俺は相当なおっさんになっちゃうよ」


「そっ
そんなことないですっ

大野主任なんて
見た目は下手すれば
もっと年下に見えますからっ」


「それ
褒めてないよ」



「...すみません」


そんな失言も
笑って受け止めてくれる




ほっと
落ち着く



「んふふ
帰ろっか?」



「はい」



同僚として
地下鉄の改札まで一緒に歩く



少し空いている

2人の距離がもどかしい




「じゃあ
お疲れ様」


私が
改札を通った姿を見届けて
智さんが軽く手を上げて
去っていく



「お疲れ様です」


その後ろ姿を
こっそりと
しばらく見送っているなんて


智さんは気付いていないだろう




東京の人混みに
紛れて行く智さんを見つめて
幸せな気持ちになる



それと同時に



奥さんの待つところへ
帰る智さんを見つめて
苦しくもなる



このままでいいと

これ以上は望まないと
思っているのに




近くにいると

どんどん
欲が出てきてしまうものなのね


.

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設定タグ:櫻井翔 , , 大野智   
作品ジャンル:恋愛
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ことら(プロフ) - コメントありがとうございますm(__)mとても励みになりました!頑張ります。 (2020年1月26日 20時) (レス) id: 3fdd75fac9 (このIDを非表示/違反報告)
umi(プロフ) - 色々と複雑な気持ちの中で書き続けてくれてありがとう。私は潤担なので比べ物にならないけど心中お察し致します。辛い時は休んでいいです。ゆっくりでも最後まで更新して頂けると嬉しいです。 (2020年1月26日 11時) (レス) id: 70b1e6f34a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ことら | 作成日時:2019年12月5日 7時

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