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｢あ、49さん｡こんにちは｣
49さんが2626番さんと2048番さんと駄弁っていたので声をかけてみた｡
｢お、Aちゃんだー｡こんにちはー｣
足を引きそうになったのを即座に察したのか、49さんは私の腕を掴んだ｡
うう……逃げられない｡49さん、反応早すぎでは?あ、職業柄、反射神経がずば抜けて優れてるとか?
私はといえば、いまだに"Aちゃん"呼びに慣れない｡だから恥ずかしさとか色々な感情が交じってすぐ逃げそうになる｡何度かそれを繰り返したせいで、49さんもとうとう対応に慣れたらしい｡
はあ、いつになったら慣れることができるんだろう｡
｢……どういうこと?｣
2048番さんが不思議そうな顔で尋ねてきた｡2626番さんも似たような顔をして私たちを見ている｡何で?
｢いいでしょー｡羨ましい?｣
49さんだけがどういうことか分かってるみたい｡羨ましいって何が?私にも説明をプリーズ｡
｢4989番ばっかりずるいよー!俺も3010番ちゃんに26さんって呼ばれたい!｣
ああ、なるほど｡羨ましいってそういうことか｡
でも私に呼ばれて羨ましいのか?というか嬉しいの?
｢26さん｣
疑問に思いながらも試しに呼んでみると、26さんはパアッと顔を輝かせた｡……うん、ごめんやっぱ嘘｡前髪のおかげで断言はできないですね、ええ｡
｢2048番はー?｣
｢お前も呼んでもらえば?｣
ワクワクしたように49さんと26さんが2048番さんを見る｡
2048番さんはちょっと驚いてからそっぽを向いた｡
｢俺はいい｣
えー、と2人からブーイングを受けていたけど、2048番さんはツンとしていた｡まあ、そうだよね｡皆が皆、そんな風に呼ばれたいとは限らないよね｡
それに2048番さん紳士だから、私に気をつかってくれたのかも｡
いやまあ、49さんと26さんが紳士じゃないってわけじゃないけどさ｡2048番さんは人一倍ジェントルマンだと思う｡じゃなきゃ私が絡まれてると思ってわざわざ自分の友達に注意したりしないもんね｡
私、自分の名前を呼ばれるのは苦手だけど、他の人をあだ名とかで呼ぶのは抵抗ないんだけどな｡
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作者名：futureblue�鏡� | 作者ホームページ：http:/
作成日時：2019年9月19日 17時
