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再び警視庁にて ページ39

(さて…と、さすがにこう何度も来るとね…)

翌日の午後、葵は再び警視庁を訪れていた。

ここ3日で3度も来ることになり、苦笑いを浮かべる。

(やっぱり、苦手…)

不当な取り調べが行われていなかったか、
それを立証するのは難しい。
取り調べの様子を収めたカメラ映像や、
取り調べ記録、全てを公開して貰うというのは、
そう簡単ではない。
そこに、何らかの操作が入っていないことを立証することも。

それゆえに、
見通すことのできない厚い壁に囲まれた闇のように、
葵は感じてならないのだ。

その考えは、
あの”事件”から始まった、のだが、
弁護士として、警察・被疑者・弁護人…と関わるようになってから、
ますます強くなった。

ふるっと頭を軽く振って、頭の中にかかりはじめたもやを払い、警視庁の入り口をくぐった。


受付に向かうと、先日とは他の人物に変わっていた。
また、こいつか、と思われるかなと思った葵は、少しホッとする。

受付に話を通し、ロビーで待つこと数分。

「度々ご苦労なことだな」

皮肉めいた言葉とともに松田が現れた。

再び警視庁にて_2→←弁護を担うもの_3



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作者名:white12 | 作成日時:2019年7月1日 21時

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