ドッペルゲンガーな君赤緑 (ページ5)

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午後8時

「神山くんただいま！！！！」

「んわっ…おかえり…」

重岡が玄関のドアを勢いよく開け

大声で叫んだため

神山は驚いていたが、すぐに状況を理解し

笑顔で重岡を出迎えた。

「おかえり重岡くん、大丈夫やった？」

「おん！楽しかった！
あと、神山くんっていろんな人に愛されとるんやね！めちゃくちゃ頼られたで！」

「え、そ、そうなん…？」

「おん！やからもっと自信もってや？」

「………ありがとぅ、重岡くん」

重岡からの嬉しい言葉に

少し涙ぐみつつ重岡の頭を撫でた神山。

そのあとふたりで夕飯を食べ、

ひとりずつお風呂に入った。

「神山くん、少し説明したいことがあるんやけどええかな？」

「………？ええけど…」

お風呂から上がり

ソファーにいた神山の隣に座った重岡は

すこし真剣な顔をして話し始めた。

「おれな、まぁ初めてあった時も言ったと思うけど1週間しかおられへんねん。
理由は俺にも詳しくは分かってへんけど。
あと、神山くんの記憶は全部こっちの中に入っとるから安心してや。
んーと、あ、あとほかの人におれが
ドッペルゲンガーやってバレても、あかん。
俺の体が消えちゃうから。
……俺が知ってるのはそんなとこかな？」

「そう…なん…」

「あしたもおれ仕事行くから。
この1週間は俺が神山くんになるから。」

「うん…ありがとう…重岡くんは辛ないの？」

「おん、ぎゃくにな？おれドッペルゲンガー
やからさ神山くんの気持ちとかにそのまま影響されるの。
やから神山くんが辛かったら俺も体がめっさ
辛なるし。逆に神山くんに嬉しいことがあったら俺も嬉しくなれるねん。」

そんな話をされて

なんとなく心が軽くなった神山。

しかし突然の眠気に襲われ

耐えきれなくなり

気を失うように眠ってしまった。

「やっぱり、神山くん今まで無理したんや」

そう小さくつぶやいた重岡は

軽々と神山をかかえ寝室へ向かった。