負けず嫌いな女の子VSぶりっこ女の子 ４

ソロ活動開始！！ ページ8

あの、莢LIVEツアーの最終公演から1ヶ月後。


スケジュールが真っ黒になるほどの仕事の量。




何気に、活動停止する前より今のほうが多い気がすんねん。





光「莢〜、早くしないと遅れるよ」





玄関先で、光の声を聞きながらメンバーからもらったアクセサリーを付ける。

これが、いま一番の元気の源。



メンバーには会えないけど、その分これを見て自分が笑顔になる。



自分が笑顔になったところで、メンバーは笑顔になるんかっちゅう話やねんけどな。





「よし！いってきます！」





大きな声で玄関を出ていき、光がいるところまで猛ダッシュ！！←





光「朝から元気やな、ほらいそぐで！」





「おん！」





今日も光に言われる一発目の言葉がこれ。



これは毎日言われんねんけどな。



ヘッドフォンをして、


CD化されてない、うちの曲をかけながら活動を再開した時の、


ソロ曲を考える。



ふと前を見たときの、


ふとヘッドフォンを外した時の、



あの騒がしさはなくて。



ふいに、メンバーが恋しくなった。




流星が寝てて、


大毅が淳太にいたずらされてて、


照史がそれをうらやましそうに見てて、


のんが、濱ちゃんにかまってほしがってて、


智くんがうちの隣でスイーツの雑誌を見てて、


杳ちゃんがこの光景を見て笑ってて。




一番幸せだった時の光景が、頭から離れることなくずっと回ってて。



泣きそうになるのを我慢して、


無理やり笑顔を作って、


そんな自分じゃ今、メンバーに会うことすらできない。



いや、自分があいたくないだけだろう。


こんな自分と、輝いているメンバーと一緒に居たくないだけ。



たとえこんなことを想ってるのがうちだけだとしても。

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