お狐様と裁判所 ページ42
◆
照｢ごめん！ ホンマにごめんっ！｣
あの後。
照史の一声で、あのお白州は解散になった。
もちろん、俺ら３人は無罪放免。
ちなみに元々の罪状は、やっぱり不法侵入やったらしい。
そして今、俺らは照史の執務室(って言うてた)に通されて。
その部屋の主からの土下座を受けて、いろいろ困惑中や。
淳｢えーと、どこから説明してもらえばええかな。｣
照｢いやもう、全部答えます。ホンマにごめんなさい・・・｣
淳｢いや、そこまで謝る事ではないやろ・・・｣
十数年一緒に暮らしてきた家族同然のやつに、何度も頭下げられるのは気分が悪い。
頭下げるというか、土下座やけど。
それはそれで、もっと気分悪いし。
照｢いやあの、さっきの・・・｣
淳｢・・・あ、もしかして捕まった事？｣
照｢・・・・・・、｣
淳｢あー、あれはまぁ、しゃあないよ。｣
あの狐面の奴らが、俺らを捕まえた理由。
厳密に言えば、神ちゃんとシゲを捕まえた理由。
それはあのふたりが、≪犬神≫と≪白稚児≫やったから。
俺はそれを使役する犬神筋の人間やと勘違いされたらしい。
まぁ、見ず知らずの奴から見れば、そう思われてもおかしくはないわな。
淳｢アレは俺らも悪かったし、照史は気にせんでええよ。｣
照｢・・・そ、そう？｣
淳｢ん！｣
何とか誤解も解けたし、そこはさしたる問題やない。
それより気になる事は・・・
淳｢なぁ、照史。｣
照｢・・・なに？｣
淳｢お前さ・・・ホンマは≪管狐≫やないんやろ？｣
照｢っ、｣
淳｢何者か分からん奴を、この先も信用する事は出来へんから。｣
全部話してほしい。
その正体も、何をしてるのかも。
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