犬神と白稚児 ページ33
◆
照｢犬の子の首からは、呪いの念は殆ど感じられへんよ。｣
しばらくして。
恐怖から解放されたらしい重岡くんが大泣きして。
泣き止むのを待ってる間に、照史が呪いの本体である犬の首を調べて。
最終的に、そんな結論が出た。
照｢たぶん犬の子より、重岡くんの思念の方が強かったんやろうな。｣
完全に飲み込まれてる。
そう呟いて、溜め息をつく。
照｢つまり今は、重岡くんが≪犬神≫に成り代わってる・・・って事や。｣
淳｢人が、犬神に・・・｣
よぉ分からん。
でもそれだけ、重岡くんが怖い思いをしたってことか。
・・・あれ、誰か忘れてるような。
淳｢・・・あ、神山くんや。｣
大｢？！｣
淳｢重岡くん？｣
大｢・・・神山くん、此処におるんですか？｣
神山くんの名前を聞いた途端、青ざめる重岡くん。
このふたり、一体どういう関係なんや？
智｢・・・・・・、ん、｣
照｢神山くんも起きたか。立てるか？｣
智｢たぶん・・・｣
大｢あ・・・、｣
どうやら、神山くんが起きらたしい。
その声に反応した重岡くんは、今にも泣きそうな顔で目を逸らしている。
智｢重岡くんっ！｣
大｢わっ、｣
でも神山くんは、嬉しそうな泣きそうな顔で。
重岡くんに駆け寄ると、思いっきり抱きしめた。
智｢心配したんやで？！ 急にいなくなるから・・・｣
大｢あ、う・・・｣
智｢でも良かった、見つけられて。｣
大｢なん、で、｣
智｢？｣
大｢おれ、神山くんに、酷いこと言うた、のに・・・｣
智｢気にしてへんよ？｣
大｢で、でも・・・｣
智｢それに・・・オレ達もう友達やろ？｣
大｢っ、｣
智｢友達なんやから、もっと頼りなさいよ！｣
大｢神山くん・・・、ぅぅ、・・・｣
大粒の涙を流す重岡くん。
それを｢よしよし｣と宥める神山くん。
もう完全に、ふたりだけの世界や。
淳｢・・・俺ら、置いてけぼりやな。｣
照｢・・・ホンマにな。｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 134人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
