犬神と白稚児 ページ27
◆
男の子の名前は、神山智洋くんといった。
高校2年生。
神山くんは、今日も普通に学校があった。
その途中で一度意識が途切れ、気付いた時にはあの公園の近くにおったらしい。
そして戸惑っていたところで、俺たちが公園から出てくるのが見えた、と。
・・・神山くんが死んだんは、おそらくその“意識が途切れた時”なんやろう。
智「ホンマに死んだんですね、おれ。全然実感ないです・・・」
照「死んだばっかりの人は大抵そう言うから、まぁ慣れやね!」
智「慣れるもんなんです?」
淳「俺に訊かんといて。」
おばけになった事──────死んだ事を知った神山くんは、意外と冷静に見えた。
それどころか、和気あいあいと会話なんかしたりしている。
智「んー・・・病院とか行けば、自分の死因も分かりますかね?」
淳「分かるやろうね、たぶん。」
照「確かめに行く?」
智「いや、思い出せそうな気がするんですよ・・・」
顎に左手を当てて、うんうん唸る神山くん。
その手首には、何かに噛まれたような痕。
・・・ちょっと待って。
照「神山くんごめんな? ちょっとその左腕、見してもらっていい?」
智「え? はい、いいですけど。」
照史も、同じことを考えたみたいや。
神山くんの左腕を握って凝視している。
歯型。
おそらくは、獣の。
これは、もしかして・・・
照「神山くん。キミの死因は分からへんけど・・・取り憑いてるモノが何かは、分かったよ。」
左腕を離す。
学ランの袖が、傷痕を隠す。
照「それは人に厄を呼び込む憑き物・・・≪犬神≫の、呪いや。」
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