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犬神と白稚児 ページ27







男の子の名前は、神山智洋くんといった。
高校2年生。

神山くんは、今日も普通に学校があった。
その途中で一度意識が途切れ、気付いた時にはあの公園の近くにおったらしい。
そして戸惑っていたところで、俺たちが公園から出てくるのが見えた、と。

・・・神山くんが死んだんは、おそらくその“意識が途切れた時”なんやろう。


智「ホンマに死んだんですね、おれ。全然実感ないです・・・」

照「死んだばっかりの人は大抵そう言うから、まぁ慣れやね!」

智「慣れるもんなんです?」

淳「俺に訊かんといて。」


おばけになった事──────死んだ事を知った神山くんは、意外と冷静に見えた。
それどころか、和気あいあいと会話なんかしたりしている。


智「んー・・・病院とか行けば、自分の死因も分かりますかね?」

淳「分かるやろうね、たぶん。」

照「確かめに行く?」

智「いや、思い出せそうな気がするんですよ・・・」


顎に左手を当てて、うんうん唸る神山くん。
その手首には、何かに噛まれたような痕。

・・・ちょっと待って。


照「神山くんごめんな? ちょっとその左腕、見してもらっていい?」

智「え? はい、いいですけど。」


照史も、同じことを考えたみたいや。
神山くんの左腕を握って凝視している。

歯型。
おそらくは、獣の。

これは、もしかして・・・


照「神山くん。キミの死因は分からへんけど・・・取り憑いてるモノが何かは、分かったよ。」


左腕を離す。
学ランの袖が、傷痕を隠す。


照「それは人に厄を呼び込む憑き物・・・≪犬神≫の、呪いや。」

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作者名:紙代 冬華 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年9月20日 19時

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