＃＿043 ページ43
．
柊「宇佐美、お前は
景山にした事が自分にされたらどんな気持ちになるのか
…考えたことがあったか？」
香帆「説教…？」
柊「そうだ、説教だ。
二度とこんな事が起きないように。」
香帆「うるさい！！」
柊「逃げるなぁぁぁ！！！！」
柊は香帆を真っ直ぐ見る。
柊「そうやって大声で拒絶して、
誰の意見にも耳を貸さずに
生きてきたんだな。
そのせいで、あんなバカな真似をしてもをしても
何も感じない人間になったんだ。」
香帆「何でアンタにそんなこと言われなきゃいけないの！？」
柊「俺は…お前の教師だからだ。」
柊は、香帆を見つめながら続けた。
柊「お前を正しい道に導く、義務がある」
香帆「……！」
香帆はそばにあった机を思いっきり押した。
香帆「ふざけんなっ！！！
今まで何にもしてくれなかったくせに！！」
柊「……そうだ…
だからだよ。
だから俺は、今この瞬間に
お前達の教師になるために！
こうしてここに立っているんだ。」
柊の目から涙が零れた。
柊「宇佐美、お前に足りなかったのは
…想像力だ。」
香帆は声を上げながら泣いていた。
柊「もし、自分の家の窓を割られたら、
自分の服を切り裂かれたら、
どんな思いをするのか。
嘘の投稿で謂れのない中傷を受けたら
どれだけ傷つくのか…。
お前にはその痛みが、想像出来なかったんだ。」
香帆「……うるさい…うるさいうるさいうるさい、うるさいっ！！！」
香帆は耳を塞いでうずくまる。
柊は香帆の頬を両手で挟んで前を向かせた。
柊「よく聞け……
景山は、お前を恨んじゃいなかった。
むしろ、自分のせいだって言ってた。
私がいけないの、って。
何を言わずに、香帆を拒んで、ちゃんと伝えていればよかったって……
そう言ってた。」
香帆「……っ！」
柊「西宮だってそうだ。
西宮がお前と話さなくなったのは…お前が嫌いになったからじゃない。
今のお前と一緒に居ると、本当の友達になれないと気づいたからだ。
……二人とも言ってた。
私は香帆と本当の意味での友達になりたかったって。」
『……ｯ…』
Aも涙を流す。
柊「いいか！
……宇佐美
お前は、そんな彼女達の気持ちを踏みにじったんだ！」
香帆の頬から手を離し、柊は立ち上がる。
香帆は声を上げて泣いていた。
柊「それが…痛みだ。
その痛みを！一生忘れんなよ！」
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作者名：ちょこみんと。 | 作成日時：2019年3月2日 19時
