WESTときす。

海 -S.Daiki ページ31

「A今日海行くん？」


『うん行くよ』



私と大毅は小学校から同じ学校だけれど

だからと言ってたくさん話したりはない



唯一共通する事は、海が好きなこと。



私は小学生に上がると同時にここに転校してきた


友達が誰もいないのはかなり辛かった。

でも家の裏の森を越えたとこにある海が
私の癒しの場所だった。


『わぁ、海だあ』


小学校低学年の私にとってそこは
宝石のようにきらきらしていて、

輝いていた。



その日私は海で遊んでた。

そして帰ろうとしたその時、



重岡
「……お前誰なん？」



小さな大毅がいた。



『…Aだよ？』


重岡
「A、海好きなん？」

『うん好きっ!!』



それから私は毎日海に通った。


海を見る為に、大毅に会う為に。



それから何年も経って高校生にもなった。


重岡
「A今日海行くん？」


『うん行くよ』


毎日海に行くかを聞かれるのが日課になった。



家に帰って制服から着替えて海に行けば、

もう大毅は砂浜に座っていた。


重岡
「お、よっ」

『よっ』



特に話す事も無く、
大毅の隣に座って海を見つめる。


『……綺麗だなぁ』

重岡
「……せやな」



左から聞こえる声が急に愛おしくなる。


大毅、



ﾁｭｯ



重岡
「ん……え、A」


『好き。』



冬の海風は二人の頬を優しく撫でた。



-S.Daiki

雪 -K.Nozomu→←傷 -H.Takahiro

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