お嬢とWEST Ⅴ (ページ8)

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A side

望から話しかけてくれるのいつぶりやろ？

嬉しかった。

触れるのにちょっと躊躇したけど、
今回は払い除けられることもなくて。

でも、前ならハグとかあったのになって
もっと犬みたいに構って全開で来てくれたのに
って思う自分もいて少し寂しい。

重かった空気も軽くなった次の日。

レギュラー番組の撮影やねんけど
ゴールデンタイムでスペシャルとしての放送が決まって、
いつもより豪華なセットが組まれてた。

メンバーも皆テンション高くてスタッフさんと喋ってる。

ん？

なんか揺れてる。

目が疲れてるだけやと思って擦ってみてもそれは変わらず…

万が一のために技術さんに言おうと思った時、
グラっと傾いたセット。

その下には早くに自分の席でスタンバイしてた望。

体が勝手に動いた。

『のぞむっっ！！！』

無我夢中で走って思いっきり望を突き飛ばした。

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