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どうしてだろう。
腕が自由になった途端、一線を越えることができなくなりそうで。
彼に求められすぎるのが怖い。
俺の理性が完全になくなってしまうことで、罪悪感とか、そういうのも胸の内から消えてしまいそうで。
主導権を握るのも、彼を操るのも、求めるのも、感じさせるのも、全部俺であってほしい。
俺は妻がいながらあなたを抱いてあげてるんだと。
お願いだからそう思わせて。
でないと、本当の意味で間違いを犯してしまいそうになる。
「いやっ…やだ、おねが、」
「だめ。俺とするときはこれが絶対」
「ぁっ…、ん、どう、して…」
「…あなたが、綺麗すぎるから」
「え…？」
好きになってしまいそうで。
純粋で綺麗なあなたを、俺の曇った気持ちで汚したくない。
でも、誰かに奪われるのも嫌だと思う俺は、とんでもなくワガママで、とてつもなく彼に惹かれている。
先ほどまで音が交ざり合っていた室内はしんと静まり返っていて。
横たわって息継ぎをしたまましばらく動けず、行為の激しさを物語っていた。
俺は目を開け、呆然としたまま焦点の合ってない彼の拘束を解いてやると、手の甲に音を立ててキスをした。
「ごめん、久しぶりで…初めてなのに激しくしすぎた」
「ん…へいき、」
頭を撫でてやると落ち着いてきたのか、表情から力が抜けていくのがわかる。
「気持ちよかった？」
「うん」
「ほんと？どのくらい？」
「わかんないけど…櫻井さんが触ってくれると、気持ちいい」
そっちか、と心の中でつっこむ。
いきなり入れられて突かれても、確かに訳がわからないだろうな。
よく俺が上になることを了承してくれたなとも思う。
「かわいいね、大野さん」
啄むように優しく口付ける。
彼の手が、俺の手を握る。
ぎゅっと赤ちゃんが母親の手を握るように。
「ばかっ、かわいいとか言うな」
「どうして？かわいいって思ったから言っただけだけど」
「それ褒めてるの？」
「褒めてるとか褒めてないとかじゃなくて、かわいいものはかわいい」
「ふふっ、意味わかんない」
そう言いながら、嬉しそうに笑う。
子供みたいに、目を輝かせながら、屈託のない笑顔を見せる。
それだけで俺はなんだか胸がいっぱいで、泣き出しそうになってしまう。
これが本来俺が求めていた温かい感情。
愛情ともいえるし、別の何かとも捉えられる。
この気持ちが毎日続いたらどれだけ幸せだろうか。
ずっと見ていたらおかしくなってしまいそうで、彼を抱き寄せると、肩に顔を埋めた。
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京(プロフ) - 碧央。さん» 碧央さん、ありがとうございます！詳細な感想までいただけて…本当に本当に嬉しいです！！まだまだ書き続けたいと思いますので、今しばらくお待ちいただければと思います！ (2021年1月24日 1時) (
レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - ゆうきさん» ゆうきさん、ありがとうございます！！細かく読んでいただけて大変嬉しく思います。続編はもう少々お待ちくださいませ！ (2021年1月24日 1時) (レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
京(プロフ) - butazch715413さん» ありがとうございます、そう仰っていただけて本当に励みになります！続編は書く方向で進めますのでもうしばらくお待ちくださいませ。 (2021年1月24日 1時) (レス) id: 877cf6680c (このIDを非表示/違反報告)
碧央。(プロフ) - 初めまして。毎日読みに来るのが楽しみで続きが気になって仕方ないほどにとても好きな物語でした。切なく胸が痛くなる場面や、ドキドキして高鳴り、にやけてしまう程ラブラブな場面、とても楽しませていただきました！続編読みたいです！お願いします！ (2021年1月23日 23時) (レス) id: c1ed4221ec (このIDを非表示/違反報告)
ゆうき(プロフ) - 京さん、初めまして。京さんの描く色っぽくて魅力たっぷりな大野さんが大好きです。お話の更新をいつも心待ちにしておりました。このお話の続編、是非是非お願い致します！楽しみにしております！ (2021年1月22日 11時) (レス) id: 096605d473 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：京
| 作成日時：2021年1月3日 1時
