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勝敗 ページ8

安室さんへ向き直る

扉に手をついてるから壁ドン状態で青い瞳が至近距離で私を捉える

『...今まで好きだなんて嘘をつかせていた事は申し訳ないです』

「僕が言った事理解してますか?本気で貴女が好きだと言ってるんです」

得る情報を私が持ってない事は安室さんも気付いてる

それでもなお好きを連発するのは本気だと。どう信じろと?

「流石にここまで鈍いと自信喪失ですね」

何か目の前のイケメン三十路手前が絶望してる。どうしたの大丈夫?

するとポケットに手を突っ込み何やら手帳を取り出した

...手帳?と思ってそれを見つめていると安室さんの手でゆっくりと中身が露になる

『警察...、降谷零......?』

写真と目の前の彼は同一人物なのに知っている職業も名前もまるで違う

「本業は警察。本名は降谷零

本業について詳しい事は控えさせて頂くが、これが本当の僕の姿」

...つまりは、探偵業も組織も本業でなく、こっちが本当

赤井さんも安室さん...いや、降谷さんも組織から言わせればNOC

自分の首を絞めるような、火の中に飛び込むような行為をやってきたのだ

きっとそれは私なんか知らない、組織壊滅の為血の吐くような思いも努力も積み重ねてきた

「コナン君からAさんのある程度の情報は聞き出した。そして壊滅を望む事も

だからこうやって身元を許される限りは打ち明けたんだ」

安室さんだって打ち明かした

それなら私にもやるべき事が残ってる

コンビニに寄って先程購入した白手袋を取り出す

安室さんが勝負を持ちかけてきて私の頬に手袋を当てた時みたいに

今度はこっちが安室さんの頬に当てる

『今日は、勝負の決着をつけに来ました

__私の負けです。助けて、下さい』

私の言葉で安室さんが優しく微笑む

助けて下さい、が力になって欲しいと示すように

「一度座りません?」

その笑顔向けられちゃ言い返す事も出来ず再びリビングへ戻る

出してくれたお茶を飲み干し、キッチンのシンクに持って行こうとした時

ちらりと見えたPC。開かれたままの画面に映るのはこちらに微笑みかける四人の男性

「Aさん、何かありました...」

食い入るように画面を見つめていた私を不審に思ったのか声を掛けてきたが、開きっぱなしのPCを見て素早く没収された

「僕とした事が開いたままにしてましたね。でもあまり見られては_」

『スコッチ...』

「え?」

『スコッチが、いた』

既にこの世に生存しない彼が安室さんのPCの中で笑っていた

呼び覚まされた記憶→←理解不能



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- 感動しました…。 (2021年12月7日 15時) (レス) @page34 id: 1125244af9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続き書いてほしいです(泣) (2021年6月13日 0時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
ドルチェ - やばい…気がついたら泣いてた…こんなに素晴らしい物をありがとうございます…!! (2021年5月2日 22時) (レス) id: cf6373e776 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続編お願いします!!!!!!!! (2020年10月2日 20時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 感動しました泣。ジンと夢主が再会してほしいです。(ToT) (2020年6月16日 3時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リンドウ | 作成日時:2018年11月10日 6時

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