理解不能 ページ7
安室さんが店に鍵かけると愛車の白いスポーツカーに乗せてもらった
座り心地とかヤバかった。何しに来たのか忘れるぐらい
というか、何処に連れて行く気だろう
止まった場所は前に一度来た安室さんの家
車から降り安室さんの部屋へと通される
「すみません少し散らかってますが...」
...何処が...?何か床に落ちてる物も無ければ埃がある様子も無い。ミリ単位で探さないといけないやつかな
「それで、話とは?」
お茶を出してくれて安室さんも椅子を引いて向かい合うようにして座る
タイミングを見計らって言おうとしていたが案外早く話題が振られた
軽く息を整え意を決して口を開く
『安室さんは、何者なんですか』
黒か白か。あるいは全くの無関係...では無い
「何故そう思いますか?」
『私が知っている安室さんは組織の一員でポアロの店員であり毛利さんの弟子。じゃあ組織の人間が喫茶店で働く意味は何ですか?
ポアロで働くのが組織の命令だとしても、あんな賭けを持ちかけてきたのは誰なんですか?』
安室さんが私に持ちかけてきた賭け
私が助けを求める事になるか否か
『本当に組織側ならあんな賭け事する必要が無いんです
でもあの時の貴方は安室さんでもバーボンでも無いような気がします』
じゃあ、一体誰なのかと言われたら答えに詰まるけど
「...貴方が話したいと言ったのはこの事ですか?」
『いえ、本当に聴きたい事は別です』
壊滅を目指す上で安室さんが何者か知る必要がある
でも今彼に聴きたいのはこの事じゃない
『安室さんは...情報を得る為なら、好きでもない相手に「好きです」なんて言えますか...?』
回りくどい言い方だがきっと理解してるだろう。私にしてきた行動を。ただ知りたいのはこれだけ
「...言えるかもしれませんね」
そう答えた瞬間ああ、やっぱりそっかと思った。ハニトラの延長だったんだろうな。今までの言葉は
分かってた筈なのに無性に悔しくて悲しくて音を立てて椅子から立ち上がった
『帰ります』
一言告げて玄関先まで向かいドアノブに手をかけた
しかしドアは開く事なく大きくて骨ばった手に阻止される
「本当に何も分かって無いんですね」
耳元で囁かれ色っぽい吐息がかかる
「これ以上貴女から得る情報は無いのに、わざわざ好きだと言う必要なんてありませんよ」
483人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
礼 - 感動しました…。 (2021年12月7日 15時) (レス) @page34 id: 1125244af9 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 続き書いてほしいです(泣) (2021年6月13日 0時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
ドルチェ - やばい…気がついたら泣いてた…こんなに素晴らしい物をありがとうございます…!! (2021年5月2日 22時) (レス) id: cf6373e776 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 続編お願いします!!!!!!!! (2020年10月2日 20時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 感動しました泣。ジンと夢主が再会してほしいです。(ToT) (2020年6月16日 3時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:リンドウ | 作成日時:2018年11月10日 6時