あなたの事が、好きでした ページ40
組織壊滅からどれぐらいの月日が経っただろう
新一君は相変わらず推理オタクで蘭ちゃん困らせてるけどそれなりにラブラブだし、志保ちゃんとは二人でウィンドウショッピング楽しんで。安室さんと赤井さんは言わずもがなセクハラ多い
彩る景色は広がった筈なのにぽっかりと胸に穴が空いたまま
お兄ちゃんの食器も洋服も歯ブラシでさえも捨てずにいる。流石に歯ブラシは捨てた方がいいかな
何だか急に一人じゃ広すぎる空間に虚しさを覚えクローゼットを開く
そこには、兄が仕事で着ていた黒のロングコート
ハンガーに手をかけロングコートだけを取り外す
お兄ちゃん、背高かったからかなり長いな。これじゃ、あまりそう
そう思いながらそっと袖に腕を通したのだが...
...何やってるの自分！！お兄ちゃんの自ら着るとか見られてないと分かってても心臓バクバクいってる
赤くなる顔を冷ましながらコートの襟を持ち上げ鼻先へと持ってくる
...懐かしい、お兄ちゃんの匂い
同じ洗剤使ってる筈なのにどうしてこんなにも変わるんだろう。全然嫌な匂いじゃない。寧ろ暖かい
もし。もしもだけど、兄と妹としてじゃなく、他人として会っていたら私はジンにどんな感情を抱いていたのだろう
やっぱり、怖そうとか？関わりたくないとか？それとも...好き、とか。
兄の事は勿論好き。でもそれは兄妹での話であってそれは恋愛感情なのか
でも無関係の他人だとしたら、恋愛的な意味での好き、だったんだろうか
いや、兄妹としてでしか会う事が無かったんだから問いかけるだけ無駄か
『今だけは、泣いていいよね』
兄の温もりを逃がさないとでもいうように、兄のコートを羽織る自分の体を堅くきつく抱き締めた
終わり
ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)
←プレゼント part1
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 483人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
礼 - 感動しました…。 (2021年12月7日 15時) (
レス) @page34 id: 1125244af9 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 続き書いてほしいです（泣） (2021年6月13日 0時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
ドルチェ - やばい…気がついたら泣いてた…こんなに素晴らしい物をありがとうございます…！！ (2021年5月2日 22時) (レス) id: cf6373e776 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 続編お願いします！！！！！！！！ (2020年10月2日 20時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 感動しました泣。ジンと夢主が再会してほしいです。(ToT) (2020年6月16日 3時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リンドウ | 作成日時：2018年11月10日 6時
