小春日和 ページ22
降谷side
正義とは何なのかいつも考えてた。日本の秩序を守ってきた
心身ともに労る時間さえも仕事に費やしてきた
休まる時間も空間も無い。そんな時だ、Aさんが現れたのは
彼女はベンチに座り吹いている秋風に髪をなびかせ遠くを見つめている
「Aさん」
『はい？』
大きな瞳が僕を捉える。意思の強そうな、それでいて何処か哀愁漂う姿に惹かれていく自分がいる
「好きです。Aさん」
何度言ったか覚えてないセリフ。毎回のごとく軽く流される言葉だがちゃんと感情を込めて伝えてきたつもりだ
『...もうそんな嘘つかなくてもいいんですよ？』
ほら、気付いてない。鈍感もここまで来ると頭抱えたくなるな
軽く息を漏らし、ベンチから立ち上がり彼女の前に立つ
「僕の本名は降谷零。そして＿警察庁警備局警備企画科に属する公安警察だ」
勿論知らない人が多く誰もが首をかしげるワードだがAさんは大きな瞳を更に大きく開いた
『...私なんか一般市民に打ち明けていいのですか？』
「壊滅を目指す同志として隠したくなかった。...貴女は不思議な人だ。自分の正体も殉職した仲間の事も打ち明けたいと思う」
最初は情報の為、接近するのが目的だった事は否定しない。でも時を過ごす内にAさんの強さや正義、心の温かさを感じた
誰が身内を敵に回す決断を下せるだろう。でも彼女はやってのけた。この子は強い
そんな貴女を好きになった。守れなかった仲間の分まで守りたいと思うのは少々厚かましいだろうか
「＿時間だ。この後本庁で集合がかかっている。今度会う時は...絶対に生きてAさんに会いに行く」
彼女のこの先が不安だ。もし壊滅を成功させたらジンは消えてしまう。もしかしたら彼女も忽然と姿を眩ませるんじゃないかと
「貴女が僕達に生きる事を願うように、僕もAさんが生きる事を願う」
そろそろ時間だ。行かなければならない
一言告げて去ろうとすると腕を引かれた
『わざわざ時間とらせてすみません。＿ありがとうございました降谷零さん』
最後のは絶対反則だろ。惚れない理由が無い。降谷零と向き合ってくれるのがどれ程嬉しい事か
その笑った表情は今までに見せた中でも一番輝いて見えた
そして最後に。いつもの言葉を
「貴女が好きです」
溢れる想いを吐き出すように秋風と共に届ける
貴女を好きになって良かったと
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礼 - 感動しました…。 (2021年12月7日 15時) (
レス) @page34 id: 1125244af9 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 続き書いてほしいです（泣） (2021年6月13日 0時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
ドルチェ - やばい…気がついたら泣いてた…こんなに素晴らしい物をありがとうございます…！！ (2021年5月2日 22時) (レス) id: cf6373e776 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 続編お願いします！！！！！！！！ (2020年10月2日 20時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 感動しました泣。ジンと夢主が再会してほしいです。(ToT) (2020年6月16日 3時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リンドウ | 作成日時：2018年11月10日 6時
