透明な君と【Fischer's】 (ページ41)

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よんじゅういちページ41

貴「えっ！？こんなに持ってきてくれたの？重かったよね…｣
ﾓﾄｷ「いやいや、大丈夫だから｣

眉を下げるAさんに笑いかける
貴「ありがとう…これで退屈しなくて済むね｣

少し不安そうだったけど
Aさんも笑い返してくれた

ﾓﾄｷ「Aさんって住野よるさん好きなんだね｣
貴「うん！そうなの！｣

ニコニコしながら住野よるさんについて
一生懸命に喋るAさんは可愛かった

ﾓﾄｷ「確かにいいよね、住野よるさん｣
貴「うん！｣

世界観が独特で何度か読まないと
理解できないところがいい

何だかジブリ映画みたいで
読むと止まらなくなってしまう

貴「本について喋っても誰もわかってくれないから…嬉しいな｣
幸せそうな顔をして笑うから

もうすぐ死ぬようには見えなかった
…Aさんが読んでるから読んでるだけなのに

そうじゃなかったら
今は本なんて少しも読んでないだろうな

なんて言ったらAさんはガッカリするかな
それなら黙ったままでいいや

ﾓﾄｷ「明日は1日撮影にだから来れないけど…｣
貴「そっか、私は大丈夫だよ、頑張ってね！｣

俺の大好きな笑顔を向けて
そんな言葉をかけてくれた

ﾓﾄｷ「退屈だったら電話してね｣
貴「ふふ、撮影中に電話しちゃダメだよ｣

クスクスと笑うAさんは
やっぱり死ぬようには見えなかった