透明な君と【Fischer's】 (ページ32)

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さんじゅうにページ32

ﾓﾄｷ「明日はAさんも休みだよね？ゆっくり休んでね｣
そう言って唇を軽く重ねると

ふにゃっと笑った
さっきまで寝てたもんね

貴「ごめんね、ありがとう…｣
きゅっと抱き着いてくるAさんの頭を撫でる

ﾓﾄｷ「いいの、元気になったら連絡して？また出かけよう｣
貴「…あっ、ちょっと待ってて｣

そう言うとAさんは家に入っていった
首を傾げて待っていると

貴「これ、モトキくんにあげる｣
小さな手から渡されたのは

ﾓﾄｷ「えっ、鍵？｣
貴「いつでも来ていいよ｣

にこっと笑うAさんを思わず抱き締める
ﾓﾄｷ「俺突然来るよ？｣

貴「ふふ、モトキくんならいいよ｣
そう言ってくれたAさんに

もう一度キスをする
ﾓﾄｷ「ありがとう、じゃあおやすみ｣

貴「おやすみなさい｣
微笑むAさんが家の中に入ると

力が抜けて倒れそうになった
ﾓﾄｷ「やばー…合鍵貰っちゃった…｣

宝物にしよ…
キーケースに仕舞うと

未来に繋がる鍵のように思えた
ﾓﾄｷ「やっば、やばやば！｣

ブツブツ言いながら階段を下る
途中で女性とすれ違って

変な目で見られたけど気にしない
ﾓﾄｷ「あー！喋りたい！｣

元々独り言が多い俺は
誰かに喋りたくなってマサイの家に行くことにした