にじゅうよん ページ24
貴「……」
幸せそうに微笑みながら美味しそうにご飯を食べている
ホントに美味しいと「美味しい」を連呼するタイプと
Aさんみたいに黙るタイプがいるみたい
モトキ「美味しいね」
貴「うん、すっごく」
綺麗な細い指で真っ黒な箸を掴んで
魚を口に運ぶAさん
あぁ…箸になりたい…
なんて馬鹿なことを考えて
気持ち悪ぃ、と頭を振った
こんなこと考えてるって知られたら引かれる
Aさんを見てるだけでお酒何杯でも飲める
やっぱり綺麗だな…
少しうつむいた時に見える長い睫毛は色気があるし
顔を上げた時に見える大きな澄んだ瞳には
今にも吸い込まれそうだ
貴「…そんなに見られると恥ずかしいんですけど…」
頬を赤く染めてぷいっとそっぽを向いてしまった
モトキ「ごめん、Aさんが綺麗だから」
そう言うと更に赤くなってしまった
Aさんの気を引こうと
今やってる撮影の話をしてみると
目をキラキラ輝かせながら聞いてくれた
貴「モトキくんは運動神経いいもんね」
モトキ「ありがとう、シルクがいるからあんまり目立たないけどね」
なんて苦笑いすると首を振った
貴「そんなことないよ、すごくかっこいいと思う」
褒められるとすぐ赤くなるのに
そういうことをサラッと言えてしまうのは
誰かを褒めることの方が多くて
褒められなれていない
という聞き上手なAさんらしかった
モトキ「そうだ、食べ終わったら散歩してみない?」
恥ずかしくなって話題を変えると
くすくすと笑うAさん
照れ隠しだってバレてた
恥ずかしくなってご飯を口に詰め込んだ
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作者名:鳴海 帆南 | 作成日時:2020年2月6日 21時