welcome 2 paradise

kaisei 2 ページ26

そう思っていると



海「あった！これ？」






水から顔を出した彼が右手に持っていたのは探していた私のブレスレット








「そう！それ！！」






海「よかった〜、つけてあげるからこっち来て」








ニカッと笑う彼は太陽みたいに眩しかった






ゆっくりプールサイドに近づいてしゃがむんで手を伸ばしたら、その手を引かれてバシャンとプールに入ってしまった







「ちょっと！何するの？！」





急に腕を引かれたからバランスを崩して頭からびしょ濡れ








海「なんかお姉さん悩んでそうな暗い顔してたから全部洗い流しちゃえばいいかなって」







悪びれもなく爽やかに笑う彼を見たらなんだか怒る気にもなれなかった







「そんな顔してた？」







海「俺にはそう見えたかな、お姉さん可愛いのにそんな顔してたらもったいないよ」







「ありがとう、リップサービスがお上手で」








アハハって乾いた笑いをしてたら彼の手がわたしの前髪に触れた







海「ほんとだよ、俺 お姉さんに一目惚れしたかも」








いきなり真剣な顔をして、濡れて張り付いた前髪をどかされる






視界に映るのは男の顔をした彼







鍛えられた体が、大きな手が、熱っぽい視線が私の体温を上げていく








その手は頰にずらされゆっくりと私の頬を撫でる









海「俺、海青。お姉さんは？」






「A…」








海「A、本気だからキスしていい？」







腰を引き寄せられて近づいた距離は今にも唇が触れそう








一目惚れ そんなのドラマじゃあるまいしと思ったりもしたけどこのドキドキしてる心臓が自分の気持ちを表してる








「…キス、していいよ」









そう答えると、優しく笑った海青と唇が触れた









夏のせいなのかなんなのか








魔法にかかったように海青といると胸がきゅんとする

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