welcome 2 paradise

itsuki 8 ページ20

今度は言われた通り、というか早く私が会いたくて前回よりは間を空けずに彼に会いにクラブに来た









いつも通り例の部屋に通してもらって中に入れば








横長のソファーにいるのは私の会いたかった人





脚を組んで座ってて、それすら絵になるくらいかっこよくてドキッてしたのに







「え、樹…？」








樹の座るソファーの背もたれの上に腰掛ける女の人達




ミニのタイトスカートを履いたイケイケなお姉さんが樹に話しかけててなんか複雑な気持ちになる








一緒に楽しそうに笑ってるところを見たらなんか泣きそうになってきた









ああ、やっぱり私って只の埋め合わせだったのかなって









いつもの紫のスーツじゃなくて白の胸元が開いたTシャツを着ているのも、私の知らない樹みたいで嫌だった









樹「あ、A」









私を見つけて声をかけてくれたけど






「わ、わたし お邪魔だったね、ごめんごめん！」








アハハって無理に笑顔をつくって手を振りながらその場を離れようとする









絶対今、顔ひきつってるよね






本気になっちゃだめなことは最初から分かってたじゃん









それでもあの快楽に溺れたくて本能に従ってしまった故の結果だ




自業自得じゃんね…









早歩きでヒールを鳴らして出口に向かおうとすると





グイっと腕を引かれてそのまま後ろを向かされた








「樹…」







目の前には悔しいくらい綺麗な顔








樹「A、なんで帰るの」







「樹は私じゃなくても大丈夫でしょ？」







掴まれていた腕を振りほどいて、方向転換しようとしたら






また腕を掴まれて









後ろを少し振り返った瞬間、そのまま今度は腰を引かれ、樹は私に有無を言わせずキスを落とした









初めて唇が触れたときとは違う長いキス

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