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道枝side
──────
図書室のカウンターに腰かけて、暗い顔をした茉白。
その元凶の氷見は涼やかな笑みを浮かべて茉白に近づくと、その頬に冷えたジュースを押し付ける。
驚いた茉白は振り返って、
「氷見くん…」
とため息混じりに呟く。
放課後の図書室はほとんど人がいない。
茉白が秘密を暴露されないために、氷見の言うがままに行動を共にするようになって2週間ほど。
氷見「そんな顔するなよ。せっかく2人きりなんだから。」
茉白「いつまでこんなカップルみたいなことするんですか？そもそもあの写真を持っていたって氷見くんには何の得もないですよね？
お願いだから返して…」
氷見「それは出来ないな。だって俺は…いや、なんでもない。」
──────
今日の撮影は無事終了。
今日は特にスムーズに撮影が進んだおかげで、予定より早くスケジュールが終わった。
よし、俺も今日はもう帰ってゆっくりドラマでも見ようか。
そんなことを考えながら、マネージャーから渡された水を口に含んだ時。
ガタン！！と大きな音がして、びっくりして音がした方を見ると、
荒々しい呼吸を繰り返すAちゃんが床に倒れこんでいた。
彼女のマネージャーの瀬戸さんが声をかけるけど、ピクリとも動かない。
スタッフさんたちも一気に慌ただしくなる。
何もせずに突っ立ってることはできひんから、俺も彼女の元へ駆け寄った。
『花野さん！大丈夫ですか！？しっかり…』
救急車を呼んだほうがいいんじゃないかと思ったけど、瀬戸さんによると
” 最近まともに寝てないから爆睡してるだけだと思う。熱は高いけど、意識を失ってる訳じゃない。”
らしくて却下された。
どうしようかと握った彼女の手は、人間の体温とは思えないほど熱かった。
◇
結局スタッフに抱えられて現場を後にしたAちゃん。
病院に行って点滴をしてもらって熱は下がったけど、念の為彼女の分の明日の撮影は延期になるという。
そうマネージャーを通して伝えられて、ようやく少し安心できた。
彼女に次に会う時、労いを込めて何か差し入れしよう。
きっと疲れが出たんだろう。
俺は彼女の心の闇のことなんて露知らず、呑気にそう思っていた。
何がいいだろうかとネットサーフィンをしているうちに、気がついたら眠ってしまっていた。
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wei(プロフ) - 憂鬱ちゃんさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけると励みになります！今後はリクエストも募集したいなと思っているので、楽しみにしていてくださいね！ (2024年9月23日 10時) (
レス) id: 35b5c99a6e (このIDを非表示/違反報告)
憂鬱ちゃん(プロフ) - とても面白いです！例のシーンの撮影のお話読めるのが楽しみです！これからも更新楽しみにしているので頑張ってください♪ (2024年9月23日 9時) (レス) @page45 id: b62c2f6570 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Lilac | 作成日時：2024年9月6日 17時
