すのーまんと、わたし (ページ15)

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レッスンページ15

合格が決まったその日、内定をもらっていた会社を蹴った。

理由を聞かれたが、別の会社に行くことになった、とだけ告げた。

……嘘じゃないもんね、

いまだに合格をもらったことに半信半疑だが、
レッスンに通う日々がそれを本当だと教えてくれる。

あのときオーディションをうけることを勧めてくれた友人に、受かったことを伝えようか悩んだが、

結局言わないことにした。

そもそも受けたことすら言ってないし、

色々と詮索されるのが嫌だったからだ。

そんなことを考えていると、ふと後ろから肩を叩かれた。

黒「Aちゃん、おっはよー！」

「結衣ちゃん。おはよ。」

オーディションの時に仲良くなった結衣ちゃんと、駅からレッスン場までの道のりを歩く。

黒「今日はなにやるんだろうねえ～」

もう身体バキバキだよ～、と笑う結衣ちゃん。

彼女は、歌こそずっとやっていたものの、ダンスの経験はほぼないらしい。

私はその逆だから、歌のレッスンのほうがしんどいけど。

「でも結衣ちゃん、歌上手だからうらやましいよ」

と告げると、えー！と驚いた顔をする

黒「私はAちゃんのほうがうらやましいよ、すっごい綺麗に踊るんだもん。見惚れちゃう。」

「そうかな、ありがとう」

あんまり素直に言ってくれるから、照れちゃうなあ

ありがたい言葉を噛み締めながら歩くと、レッスン場はもうすぐ。

黒「はやくグループ加入できるように頑張らなきゃね！」

「うん。今日もがんばろ！」

いつのまにか2人の気合いを入れる合図になっていたグータッチをして、レッスン場へ入った。