柩の花嫁 【d!】

14 Begegnung ページ14

何故か惹かれた女神を模した蝋人形

きっと一目惚れというものをしたのだろう



幹部に見せた時、皆が一斉に惚れた



嗚呼、こいつは呪いでもかけているのかもしれない




これは幹部(おれら)だけの秘密にしよう




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なんて可憐な蝋人形


一目見ただけで全てを奪われた気分やった



こいつの為ならなんでも頑張れそうな気がした



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形容しがたいその容姿

蝋人形とは思えないオーラ



今すぐにでも動き出し羽ばたきそうな羽根



らしくもなく脳に焼き付けようと彼女をずっと見つめていた



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動かない変わらない人形なんてクソつまんないやろ


いっその事身体が全て火薬で出来てたなら楽しいんやけどな



すべて覆されたけどな


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家族なんてフィクション



愛とかあほらしい





全てを逆さにされたようだった




声ができずただそれを見て恍惚としていたことだけは覚えている



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グルッぺンが見惚れて手に入れたという蝋人形



グルッぺンが人形なんてものに見惚れるなんて考えられん



みて笑ってからかい煽ってやろうとぬるいことを考えてた


人形をみて俺は何故か愛おしいと感じてしまった


煽れんやんか


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生きた女性に興味はありません



いつか聞いた言葉



まさかそんな性癖を煩ってたとはと哀れんでいたが


彼女を見つけた次の日には僕は全ての女と関係を切っていた


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本で見た天使は子供が描かれていることが多い


グルッぺンさんが柩で連れてきた彼女は天使ではなく女神を模されているときいた



羽根のある女神なんて聞いたことがない

所詮は人間の創造か興味本位でそれを見る



彼女は限りなく天使に相応しく女神を模されているということを納得した


酷く高鳴った


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眠っているようだ


蝋人形なんて嘘のようだ



はぁぁ……可愛い可愛い可愛い……


全て俺だけのものにしたい



俺だけを慕い俺だけを見て



その俺が汚してみたい


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独占欲

ドロドロとした醜いものが俺を覆う



ええよなぁ…他はやるから

この子だけは俺に頂戴や



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俺らの眠り姫に似合う花を育てた



毎日決まった時間に花を添え礼拝堂を塵一つ残さないように掃除した



君のためだけだよ


だからいつか動き出してね、俺らのお姫様


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俺より小さい背


俺より大きな瞳


開かれたその瞳はまず何を映し出すのだろう



毎日礼拝堂に心地の良いオルゴールを鳴らし続けた


君が目覚めた時幸福を感じれますように

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