├ ページ37
#
【性格】
聖母のような性格。人を否定することは殆ど無く、肯定することの方が多い。全てを愛して、嫌うことはないようにも見える。相手が犯罪者であろうとも、無機物であろうとも、全てを愛し、護る、それが正しい生き方だと思い込んでいる。そういわれて生きてきたから。周りには博愛者にも程があると言われる程のそれである。だが、今さらこの性格を変えることはできない。母上に、父上に、姉に、それが正しいと、教えられてきたから。この性格を否定されたら今までの人生はなんだったのかと思ってしまうから。
全てを愛し、認めるため怒ることが絶対にない。ただ、ただ、悲しむだけ。「 どうしてこんなことをしたのですか 」と、哀しむだけ。怒らない。きっと、怒りたいはずなのに。けれど、怒ったらいけないと、常に人を愛しみ、護り続けなければならないからと教えられたから。そうでないと親に認めてもらえないから。自分を否定されてしまうから。怒りという感情を捨てたのである。この文章から分かる通り負の感情が異様に少ない。怒りは0であるし、悲しむことも極々稀である。かと言って正の感情も多いわけではない。感情の起伏が殆どなく、笑顔で取り繕っているのである。そのため見る人からすれば優しい人間というよりもミステリアスで少し怖いだなんて印象を持たれることもある。また、怒りの感情がもともとない訳ではなく捨ててしまったことから、人が怒ってしまうこともある程度の共感を示すし、「 どうして怒るんですか 」と問うこともある。ただ、自分自身が人に怒れないだけ。ただ、それだけなのである。正直、怒りの感情を取り戻すのは無理に等しいだろう。だって、忘れてしまったのだから。
本人の元々の性格は少々狂っており、基本的に全てに敵対感情を持っていた。なお、現在はその考えは捨てなければ親に暴力を振るわれてしまうという考えから捨てられているが。別に、もう会う訳でもあるまいし捨てなくてもいいと思うところもあるが、きっとそれはもうトラウマとなり、千歳の心の奥深くに根を張ってしまっているのだろうということが容易に想像つく。そのため昔は全てと距離を置き、面だけの関係を保っていた。……まあ、そこは変わりないかもしれないのであるが。
正直人間も嫌いではある。それを表に出さないだけで。ただ、強い嫌悪感を無意識のうちに抱いてしまっているのかもしれない。本物の愛情を与えられていれば良かったのだろうか？ まあ、犯罪者の血筋である時点でそれは無理な願いであることは絶対だろう。
#
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
