34話 過去編 ページ35
『今まで私は母上に尽くしてきた‼
私の幸福の分も、全部全部貴方に捧げてきたっ‼‼
それなのに、母上が愛しているのは一生懸命努力して、他人を犠牲にしてまで母上に尽くしてきた私じゃなくて、私の能力だった‼
結局みんなッ‼‼みんな、私の能力だけを見ていた‼
これを聞いても貴方の方が不幸だって言うの‼⁉』
「……
貴方は十分幸せだったでしょう…?」
…は?どういう意味…?
「私のためにって、貴方が勝手に努力していただけじゃない
逆に、私のために尽くしてこられて幸せだったでしょ?貴方みたいな化け物が「友達」という存在を知ることができただけでも貴方は幸せなのよ」
フツフツと私の中で沸き上がる怒り。
それが爆発しないように必死に歯を食いしばって堪えていた。
『化け物…?化け物はあんたでしょ…?』
「…お前は……
今後一切人と関わってはいけない
そして忘れるな
お前は自分の幸福のためなら人をも殺してしまう化け物だ、ということを」
…は…?ちょっと待ってよ
『そうさせたのは母上やアイツらでしょ…?化け物は私じゃなくて母上だよ』
「そうね…私は確かに化け物だわ
でも…
私が憎いでしょう?
私を殺したいでしょう?」
『…』
「貴方のことなら何だってわかるんだから…
今貴方が持っているナイフで、私を殺そうとしてるんでしょう?」
ビクッ
私の肩が揺れる。
なぜなら私の右手には、ナイフが握られていたからだ。
「暗殺の依頼で人を殺すことに慣れてしまった私は化け物ね
でも、そんな私に誰を犠牲にしてでも尽くそうとする貴方も…」
嫌だ
その先は言わないで
私は…私はッ
「私と同じ、化け物なのよ」
違う違う違う違うッ
お前なんかと一緒にするな‼
「でも、残念ね
もう貴方は壊れちゃったみたい」
違う違うチガウチガウ
「だから、もう貴方は必要ない」
嫌だよ…捨てないで
「さよなら」
.
.
私の心臓にナイフを突き刺そうとする母上の手と母上の首が宙に舞った
プシャァアッ
シャワーのように降りそそぐ赤い何か。
何が起きた?
一瞬の出来事に頭が追いつかず、混乱する。
しばらくは、その場で固まっていた。
そしてやっと理解した。
『私が母上を…
殺したんだ』
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しゃーぺん@彩(プロフ) - Ruiさん» そう言ってもらえて嬉しいです!投票ありがとうございます! (2020年8月10日 22時) (レス) id: 29f36bfc35 (このIDを非表示/違反報告)
Rui - しゃーぺん@彩さん» イベント参加ご協力感謝致しますこの作品一番好きなので投票させて頂きました! (2020年8月10日 22時) (レス) id: 79cb60a812 (このIDを非表示/違反報告)
しゃーぺん@彩(プロフ) - Ruiさん» 了解です! (2020年8月10日 22時) (レス) id: 29f36bfc35 (このIDを非表示/違反報告)
Rui - しゃーぺん@彩さん» 嬉しいです画面にそのままペースト、もしく通常検索すれば出てくると思います。 (2020年8月10日 21時) (レス) id: 79cb60a812 (このIDを非表示/違反報告)
しゃーぺん@彩(プロフ) - Ruiさん» 是非参加させて頂きます!!お誘いありがとうございます! (2020年8月10日 11時) (レス) id: 29f36bfc35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゃーぺん@彩 | 作成日時:2019年1月30日 21時