【H×H】幸福と不幸【短編集】��

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でも……それは、違う









ギュッ




A「ッ‼‼やっ…離して‼」


『俺さ




友達、できたんだ






たくさん…できた』





俺の言葉に、思わず息を詰まらせるA。





『その中の1人、ゴンって奴


どこまでも真っ直ぐで、闇の世界の一つも知らない



そんな単純バカ






…でも、こんな俺を受け入れてくれた









俺の、大切な親友なんだ』



A「……」





『んで、もう一人の親友……お前とおんなじ名前





Aも俺と一緒で、闇の住人だった



辛い事も一人で抱え込んで、悪い意味で努力家な奴




Aはすぐに自分のこと傷つけて、誰にも頼ろうとしない大バカ





……だけど、





誰よりも仲間想いで、誰よりも優しい奴だよ』







Aはすっかり黙り込んでしまい、既に抵抗するのもやめていた。







『………なあ



俺達みたいな殺し屋が見てる世界ってさ、
狭いんだよ



そこに光が見えたって、手を伸ばそうともしない





…でも実際、その光に歩みを進めるだけで救われたのがここに居る』








俺と、









A「…ッ、…」









お前。









『俺達はあっち側からじゃ、そう簡単に見つけられない





…だから





俺達が踏み出さなきゃ、何も始まんねーぜ』







もしこの場での俺の立場がゴンだったら、違うことを言っているかもしれない。




もっと、希望を与えてやれるかもしれない。









……でも、それでも。









今の言葉をどうしても…俺から伝えたかったんだ。








A「……私は………






人の温もりを、知らない」







Aは俺の背中に手を回し、控えめに抱きしめた。







A「その光さえ、何処にあるのか分からないけど…









……いつか、見つかる…かな………？」




『…‼








あぁ…


必ず、見つかる』






Aにそう言って微笑みかけると、Aは頰を赤らめながら、ほんの少し口角を上げた。

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